コロナ禍だからこそ「花粉症治療」が超重要!!
花粉症を筆頭とする「アレルギー性鼻炎」は国民の49%がもっている病気ですが、実は、スギ花粉症だけでも39%の方が罹患していると言われています。
コロナ禍だからこそ、花粉症対策を怠ってはいけません。
花粉症シーズンに突入しようとしている今、どのような花粉症対策を取るとよいのでしょうか。
花粉症シーズン目前、「今からできること」は?
Contents
①花粉症治療はいつからすべき?
花粉症の治療については、「初期療法」といわれる治療が重要です。
「初期療法」とは、花粉飛散開始前から治療開始することです。
これによってピークの症状を弱め、症状が出ている期間も短くできるようです。
まず飛散日をネットなどで調べる。
予測されている飛散開始日、この前に治療を開始するといいとのことです。
https://tenki.jp/pollen/
ちなみに、飛散開始日というのは、「1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日」とされていますので、この前から飛散していることになり、強いスギ花粉症を持っている人の場合は、飛散開始日の前から症状が出ることになります。
症状があれば、花粉飛散開始予測日にかかわらず早めに治療を開始することが望ましいですね。
②コロナ禍、花粉症はいつも以上にきちんと治療すべき理由
コロナウイルス感染症との関連でいうと、三つの問題があります。
・花粉症の症状がコロナウイルス感染症と似ていること
・花粉症によって周りにコロナウイルス感染症を広げてしまう
可能性があること
・花粉症で目や鼻を触る行動がコロナウイルス感染のリスクを
上げてしまうこと
です。
現在流行中のオミクロン株はのどの痛みや鼻水など、いわゆる風邪の症状を起こすことが多いので、毎年の花粉症なのかコロナウイルス感染症なのかがわからないと思われます。
また、コロナウイルス感染症に感染しても潜伏期間が数日ありますが、その間に花粉症の症状であるくしゃみなどによって周りにコロナウイルスを広げてしまうという可能性もありますよね。
さらに、花粉症で目や鼻がかゆくなって指で触ってしまうと、手についたウイルスが粘膜に触れますので、ウイルス感染のリスクが上がります。
これら三つの問題を考えると、コロナ禍では花粉症の治療は普段以上にきちんとしておくほうがいいと専門家は言います。
③花粉症対策として出来ること
花粉対策は、
「吸わない」「着けない」「持ち込まない」がポイント!
①マスク
新型コロナウィルスの感染予防として使用している方がほとんどですよね。
マスクを使うと、花粉を吸いこむ量も、およそ3分の1から6分の1に減らすことができるようです。
マスクは顔にフィットするものを選ぶことが大切です。
また、マスクの内側にガーゼを当てること(インナーマスク)でさらに鼻に入る花粉が減少することが分かっています。
②メガネ
メガネを使用しない場合に比べて眼に入る花粉量はおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少するという実験結果があるとのこと。
③衣類
一般的にウール製の衣類などは木綿や化繊に比べて花粉が付着しやすいので、花粉を屋内に持ち込みやすくなります。
ウールの花粉のつきやすさは、綿に比べるとおよそ10倍にもなります。
外出の際は、外側にウール素材の衣服を着ることは避けて、表面がツルツルした素材の上着を選ぶようにしましょう。
④花粉症の治療法
■薬による治療
アレルギー性鼻炎についてはガイドラインがありますが、抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイドなどを中心とした治療が行われることが多いです。
鼻噴霧ステロイドは「生活の質を改善する効果は抗ヒスタミン薬より高い」という研究結果もあるぐらいで、きちんと使うことで効果が期待できるようです。
抗ヒスタミン薬は花粉症に対して非常によく使われる薬です。
1日1回のものや2回のもの、眠気が出にくいと言われているものや、効果が不十分な場合に増量できるもの、貼り薬など様々な種類があります。
種類によっては薬局で処方せんなしで購入できるもの(OTC)もあります。
もちろん目の症状には目薬も有効ですので、診察時に相談すること。
■体質改善による治療
今シーズンには間に合いませんが、舌下免疫療法という「舌の下に毎日スギ花粉のエキスを置く」という治療もあるようです。
これによって体質そのものを改善できるとのこと。
スギ花粉症は自然緩解が少ない病気であると考えられており、特にお子さんのスギ花粉症では舌下免疫療法をすすめることが多いです。
近くの耳鼻咽喉科・小児科・アレルギー科などでご相談するといいと思われます。
■手術による治療
手術については、レーザー手術が広く行われています。
日帰り手術で可能で、粘膜の表面を変性させることで花粉症の症状を軽くしますが、シーズン前に行われることが原則なので、今シーズンに間に合わせるのは厳しいかもしれません。
また、鼻の中の構造的な問題で狭く、鼻づまりの原因となっているような場合には広げるような手術(多くは内視鏡手術)が行われることもあります。
気になる方は一度耳鼻咽喉科でご相談を。
⑤「今年だけでも何とかしたい」という方は…
2年前のシーズンから「オマリズマブ」という注射薬が保険適用となっています。
「遺伝子組み換え」というものですね。
この薬は、アレルギー性鼻炎を起こす抗体である「IgE」を抑えることで症状を軽快するというものです。
日本でも喘息や慢性じんましんに対して使用されてきましたが、季節性アレルギー性鼻炎に対してもいくつかの条件を満たした場合に使用できるようになりました。
やや高価な薬剤ではありますが、非常に効果の高い治療です。
通常の治療では症状を抑えきれない方で、今年だけは何とか症状を抑えたい、あるいは多少高価な治療でもやってみたいという方には良い治療となる可能性があります。
使用に際しては検査結果などでいくつかの条件を満たす必要があるとのことなので、これについても、興味があれば近くの耳鼻咽喉科・小児科・アレルギー科などでご相談を!