スマートフォンやカメラで使用される画像形式において、「HEIC」と「HEIF」という言葉を耳にしたことはありませんか?
どちらも高画質で省スペースを実現する先進的な形式ですが、具体的な違いについてはあまり知られていません。
本記事では、HEICとHEIFの違いや、それぞれの特徴、選び方について詳しく解説します。
Contents
HEICとHEIFとは?それぞれの概要を解説
1. HEIFとは?
HEIF(High Efficiency Image File Format)は、高効率な画像ファイル形式を実現するための規格です。以下が主な特徴です:
- 特徴:
- JPEGよりも高画質でありながら、ファイルサイズを約50%削減可能。
- 複数の画像や関連情報(例:編集履歴、サムネイル)を1つのファイルに格納可能。
- 開発元:
- MPEG(Moving Picture Experts Group)によって策定された画像ファイルの規格。
2. HEICとは?
HEIC(High Efficiency Image Coding)は、HEIF規格を基盤とした具体的な形式の一つです。
- 特徴:
- HEIF規格をAppleが自社のデバイス(iPhone、iPad、Macなど)向けにカスタマイズ。
- 主にiOSやmacOSで使用される標準画像形式。
- 使用例:
- iPhoneのカメラで撮影した写真は、デフォルトでHEIC形式で保存されます。
HEICとHEIFの違い
項目 | HEIF | HEIC |
---|---|---|
定義 | 画像形式の規格全体 | HEIF規格を基にした具体的な形式 |
開発元 | MPEG(国際標準化団体) | Apple |
対応デバイス | 幅広いプラットフォーム(Windows、Androidなど) | 主にAppleデバイス(iPhone、iPad、Mac) |
用途 | 汎用的な画像保存形式 | Appleデバイスの標準画像保存形式 |
拡張子 | .heif | .heic |
- 簡単に言うと:
HEIFは規格全体の名前で、HEICはその一部としてAppleが採用している形式です。
HEICとHEIFのメリットとデメリット
1. メリット
- 高画質・省スペース:
- JPEGと比較して、同等以上の画質を約半分のファイルサイズで保存可能。
- 複数画像の保存:
- 連続撮影の写真や動画のスナップショットを1つのファイルで管理できる。
- 多機能:
- 編集履歴や位置情報、サムネイルを保存可能。
2. デメリット
- 互換性の問題:
- 一部のデバイスやソフトではHEIC/HEIF形式をサポートしていない。
- 古いWindowsやAndroidデバイスでは追加ソフトが必要な場合がある。
- 変換の手間:
- 互換性を保つためにJPGやPNGに変換する必要があることも。
HEICとHEIFの選び方
1. Appleユーザーの場合
- おすすめ形式:HEIC
- Appleデバイスを使う場合、HEIC形式は標準設定であるため特別な対応は不要。
- 他のAppleデバイスとスムーズに同期・共有が可能。
2. WindowsやAndroidユーザーの場合
- おすすめ形式:HEIFまたはJPG
- HEIF形式はApple以外のデバイスでも対応が進んでいるため、使いやすい。
- 互換性重視ならJPG形式に変換して保存するのが無難。
HEICやHEIFの扱い方と変換方法
1. 変換が必要な場合
2. Appleデバイスでの設定変更
- HEIC形式ではなく、JPG形式で保存する方法:
- iPhoneの「設定」を開く。
- 「カメラ」→「フォーマット」を選択。
- 「互換性優先」を選ぶ。
まとめ:HEICとHEIFの違いを理解して最適な形式を選ぼう
HEICとHEIFはどちらも先進的な画像形式で、高画質・省スペースというメリットがあります。
AppleユーザーであればHEIC形式をそのまま使うのが便利ですが、WindowsやAndroidを使う場合は、互換性を考慮してJPGへの変換を検討するのが良いでしょう。
状況に応じて適切な形式を選び、効率的に画像管理を行いましょう。