Windows11の大型アップデート「24H2」以降、一部のユーザーから
「共有フォルダにアクセスできなくなった」
「突然ネットワーク上のPCに接続できない」
といった報告が急増しています。
これはセキュリティ仕様の変更・SMB(Server Message Block)関連の動作仕様強化・既存設定の初期化などが関係しており、従来通りの設定では正常に共有アクセスできないケースが増えています。
この記事では:
- Windows11 24H2で共有フォルダにアクセスできない主な原因
- アップデート後の初期化やセキュリティ強化による変更点
- 設定の見直しポイント(SMB/資格情報/ネットワーク種別)
- アクセスできないときの段階的な対処法
を、Microsoft公式情報に基づき解説します。
Contents
【原因①】Windows11 24H2以降でSMB1が完全無効化された

SMB1とは?
SMB(Server Message Block)はWindows間でのファイル共有に使われるプロトコルです。
SMB1は古いバージョンのプロトコルで、セキュリティ上の理由から24H2で完全無効化されました。
解決策:SMB2以上に対応していない古いNASや機器は要注意
- 古いNAS(2000年代のBuffaloなど)→ SMB2/3未対応 → アクセスできない
- 可能であればNASのファームウェアアップデートを推奨
※ SMB1を再び有効化することは非推奨(セキュリティリスク大)。
【原因②】ネットワークの種類が「パブリック」になっている
設定手順:
- 設定 →「ネットワークとインターネット」→「プロパティ」
- 接続中のネットワークが「パブリック」なら「プライベート」に変更
→ プライベートネットワークでないとファイル共有がブロックされます。
【原因③】共有設定がデフォルトに戻っている(アップデート後)

設定の確認:
- コントロールパネル →「ネットワークと共有センター」
- 左側「共有の詳細設定の変更」→ プライベート/すべてのネットワーク
- 以下を確認:
- ネットワーク探索:有効
- ファイルとプリンターの共有:有効
- パスワード保護共有:必要に応じて無効化(ローカルLAN用途の場合)
【原因④】ユーザー名・パスワードの資格情報が正しくない
Windowsはセキュリティ強化の一環で、共有アクセス時に資格情報(ユーザー名/パスワード)を要求する仕様が強化されています。
対処方法:資格情報を保存
- コントロールパネル →「ユーザーアカウント」→「資格情報マネージャー」
- 「Windows資格情報」→「資格情報を追加」
- 相手PC名・ユーザー名・パスワードを正確に入力
→ 保存後、再起動または再接続で確認
【原因⑤】フォルダそのものの共有設定・アクセス権が不足

フォルダの共有手順(正しい手順):
- 共有したいフォルダを右クリック →「プロパティ」
- 「共有」タブ →「共有」ボタン → ユーザー追加(例:Everyone)
- 「アクセス許可」タブで「読み取り/書き込み」など必要な権限を付与
- 「セキュリティ」タブでも「フルコントロール」にチェックが必要
→ 特に「セキュリティ」タブでの許可を忘れると、表示はできるがアクセス拒否されることがあります
【補足】ユーザーフォルダを移動している場合の注意点
ユーザーフォルダ(C:\Users\ユーザー名)がDドライブなどに移動されている場合、アクセス権が不整合となり、他のPCからアクセスできないことがあります。
→ アクセス権限(セキュリティタブ)を再確認し、共有設定を明示的に再構成してください。
よくある質問(FAQ)

Q. 共有フォルダを作ったが、他のPCから見えないのはなぜ?
→ ネットワーク種別が「パブリック」になっている/ネットワーク探索が無効の可能性があります。
Q. ユーザー名とパスワードが求められるがわからない
→ 相手側のPCにログインしているローカルアカウント、またはMicrosoftアカウントの情報が必要です。
Q. Windows11同士でもアクセスできないのはなぜ?
→ SMB設定や資格情報、セキュリティタブの許可設定に問題がある場合がほとんどです。
まとめ|Windows11 24H2の共有フォルダ問題は設定の見直しで解決できる
- アップデートによりSMB1の無効化/セキュリティの強化/ネットワーク設定の初期化が行われる
- プロトコル/ネットワーク種別/資格情報/フォルダ共有権限を一つずつ再確認することが重要
- 原因は一つではなく、複数の設定が複合的に影響しているケースが大半
→ 一つずつチェックし直せば、24H2環境でも安定してファイル共有は利用できます!