Excelで数値を扱っていると、
「小数点以下を四捨五入したい」
「でも実際の値は変えたくない」
「書式設定だけで処理できないの?」
といった疑問を持つ方が多いです。
この記事では、「excel 四捨五入 書式設定」というサジェストを軸に、セルの書式設定でできること・できないこと、ROUND関数との違い、見た目だけの四捨五入と実際の数値の違いなどを丁寧に解説します。
さらに、切り捨て・切り上げとの違いや注意すべき落とし穴についても補足しています。
Contents
【結論】Excelで「書式設定だけで四捨五入」は可能だが「実際の数値は変わらない」
- セルの書式設定で「四捨五入しているように表示」することは可能
- しかし、内部の数値(計算値)は丸められない
つまり、見た目だけ丸める=書式設定、値ごと丸める=関数使用という使い分けが必要です。
【基本編】書式設定で四捨五入のように表示する方法

方法①:セルの小数点以下を制御する(見た目のみ)
- 対象セルを選択
Ctrl + 1
で「セルの書式設定」ウィンドウを開く- 「表示形式」→「数値」を選び、「小数点以下の桁数」を設定
入力値 | 小数点以下1桁に設定 | 表示される値 |
---|---|---|
123.46 | 1 | 123.5 |
123.44 | 1 | 123.4 |
※実際の値は変更されていません。
関数などで参照すれば 123.46
のまま。
【応用編】ROUND関数で「本当に四捨五入する」
excelCopyEdit=ROUND(A1, 1)
- 小数第1位で四捨五入
- 見た目だけでなく、実際の値も丸める
比較表:書式設定 vs 関数
方法 | 表示上 | 実際の値 | 再計算時の精度 |
---|---|---|---|
書式設定 | 丸められる | 変わらない | 元のまま計算される |
ROUND関数 | 丸められる | 丸められる | 丸められた値で計算される |
【補足】切り捨て・切り上げの書式設定はできる?
結論:書式設定では不可能です。必ず関数を使います。
- 切り捨て →
ROUNDDOWN
またはTRUNC
- 切り上げ →
ROUNDUP
excelCopyEdit=ROUNDDOWN(A1, 1) ' 小数第1位で切り捨て
=ROUNDUP(A1, 0) ' 整数で切り上げ
【注意点】表示だけ四捨五入されていても、集計結果はズレる可能性あり

たとえば次のようなケース:
セル | 表示値 | 実際の値 |
---|---|---|
A1 | 1.2 | 1.24 |
A2 | 1.2 | 1.24 |
合計 | 2.4 | 2.48(実値) |
→ SUM関数では 1.24 + 1.24 = 2.48 と計算され、見た目とズレることに注意。
四捨五入の設定を解除したいとき
書式設定による丸めを解除
- セルを選択
Ctrl + 1
→「表示形式」→「標準」または「数値(小数点以下を増やす)」
ROUND関数などを解除したい場合
- 関数を削除して元のセル値を直接入力するか
- 数式を値として貼り付け(コピー → 右クリック → 値のみ貼り付け)
よくある質問(FAQ)

Excelで四捨五入の設定はどうすればいい?
- 表示だけでよければ「セルの書式設定 → 小数点桁数の調整」
- 実際に値を丸めるなら
ROUND
関数を使います
切り捨ての書式設定は可能?
書式設定ではできません。
ROUNDDOWN
または TRUNC
関数が必要です。
端数切り上げの書式設定は?
これも関数(ROUNDUP
)で対応します。
書式設定では対応不可です。
四捨五入しない設定に戻したいときは?
- 「表示形式」を「標準」や「数値」に戻す
- 小数点桁数を手動で増やす
追加トピック:10の位・100の位で四捨五入するには?
excelCopyEdit=ROUND(A1, -1) ' 10の位で丸め
=ROUND(A1, -2) ' 100の位で丸め
-1
や-2
を使うことで、整数部分の位で丸めができます
まとめ
- 書式設定で見た目だけ丸めることは可能(Ctrl+1で調整)
- 実際の数値を丸めるには
ROUND
系関数を使う - 切り捨て・切り上げは書式設定ではできず、必ず関数が必要
- 見た目と実値のズレに注意!合計値や印刷資料に影響する場合あり
集計ミスを防ぐためにも、「見た目」だけの丸めと「値」そのものを丸める操作をしっかり使い分けましょう。