Excelのフィルター機能では、条件指定に**ワイルドカード(あいまい検索文字)**を利用することができます。
特定の文字を含むデータだけを抽出したいとき、非常に便利です。
この記事では、Excelフィルターにおけるワイルドカードの使い方を解説します。
Contents
ワイルドカードとは?
ワイルドカードとは、任意の文字列や文字を表す記号です。
Excelでは以下の2種類が基本です:
| ワイルドカード | 意味 |
|---|---|
*(アスタリスク) | 任意の文字列(0文字以上) |
?(疑問符) | 任意の1文字 |
Excelのフィルターでワイルドカードを使う基本方法

自動フィルター(プルダウンメニュー)ではワイルドカードは使えない?
- 自動フィルターのプルダウンからの選択では基本的にワイルドカードは非対応
- カスタムオートフィルターを使うことでワイルドカード指定が可能
カスタムオートフィルターでの手順
- データ → フィルターを適用
- プルダウン →「テキストフィルター」→「指定の値に等しい」「指定の値を含む」などを選択
- 条件入力欄にワイルドカードを使用
例:
*ABC*→ 「ABC」を含むデータ全てA??B→ 先頭A・末尾B・間に任意の2文字
ワイルドカード使用例(実務編)
| 条件 | 入力例 | 結果 |
|---|---|---|
| 「東京」を含む | *東京* | "東京都", "東京支店" など抽出 |
| 先頭が「A」で終わりが「C」 | A*C | "ABC", "AXYZC" など抽出 |
| 5文字のコードのみ抽出 | ????? | 5文字固定の値のみ抽出 |
ワイルドカード利用時の注意点

- 半角・全角の区別あり →
*や?は半角で入力 - 完全一致で
*を含めた文字列そのものを検索したいときは~を使用(エスケープ処理)
特殊文字を検索したい場合:
| 検索対象 | 入力例 |
|---|---|
| アスタリスク自体 | ~* |
| 疑問符自体 | ~? |
| チルダ自体 | ~~ |
フィルター以外でも使えるワイルドカード活用例
COUNTIF関数と組み合わせる
=COUNTIF(A:A,"*東京*")
→ "東京"を含むセルの個数を数える
SUMIF関数と組み合わせる
=SUMIF(B:B,"A*",C:C)
→ B列がAで始まる行のC列合計
ワイルドカードが効かない時の対処法
文字列形式になっていない
- セルの書式が「文字列」か確認
- 特に数値を含むIDコードなどは書式統一が重要
全角アスタリスクや全角疑問符を使用している
*?は半角である必要があります
条件が複雑すぎる場合
- 複数条件なら詳細フィルターやフィルターオプションを検討
- Power Queryを活用すると柔軟な条件設定が可能
よくある質問(FAQ)

Q1. フィルターの通常のプルダウンでワイルドカードは使えますか?
→ 使えません。
カスタムオートフィルターを利用してください。
Q2. アスタリスク自体を含む文字列を抽出できますか?
→ 可能です。
~* と入力すればアスタリスク自体を検索対象にできます。
Q3. ワイルドカードは日本語でも使えますか?
→ はい。
日本語でも英数字と同様に使用可能です。例えば *大阪* など。
Q4. フィルター以外にワイルドカード活用できる関数は?
→ COUNTIF, SUMIF, SEARCH, IF など広く活用できます。
まとめ
- フィルターでのワイルドカード利用は「カスタムオートフィルター」が基本
- アスタリスク(*)は任意の文字列、疑問符(?)は任意の1文字
- エスケープ処理(~)を覚えれば特殊文字も自在に抽出可能
- COUNTIFやSUMIFと組み合わせれば分析の幅が大きく広がる
ワイルドカードをマスターすれば、フィルターの検索精度が飛躍的に向上します。
ぜひ本記事を参考に実務に活かしてください!
