Zoomを使ったプレゼンの場面で、
「PowerPointのスライドショーがうまく画面共有できない」
というトラブルに直面したことはありませんか?
準備万全のつもりでも、画面が真っ黒になる・スライドが動かない・そもそもスライドショーが選択肢に出てこない——
そんな問題は意外と多くの人が経験しています。
本記事では、Zoom × PowerPoint スライドショーの画面共有に関するすべての原因と解決策をまとめました。
WindowsでもMacでも役立つ情報を網羅していますので、「これで解決しないなら本番中止!」というほどの安心材料としてお使いください。
Contents
Zoomでパワポのスライドショーが共有できない主な原因

まずは、考えられる主要な原因を整理しましょう。
多くの場合、以下のいずれか、または複数が絡んでいます。
- スライドショーが全画面表示になっており、Zoomが検知できない
- Zoomで共有すべきウィンドウを間違えて選択している
- ZoomとPowerPointを異なる権限(管理者/通常)で起動している
- デュアルモニター環境で出力先がズレている
- macOSの画面収録の許可が与えられていない
- GPU支援(ハードウェアアクセラレーション)による描画トラブル
- スライドショー起動の順序ミス
次章から、それぞれの原因と対処法を徹底的に深掘りします。
スライドショーの全画面表示を「ウィンドウ表示」に変更する
PowerPointはスライドショーを既定で全画面モードに切り替えるため、Zoomがその画面を「別ウィンドウ」として認識できず、共有対象として表示されないことがあります。
これを回避するには、「ウィンドウ表示」に切り替えるのが最も確実です。
設定手順(PowerPoint 2016以降)
- PowerPointを開く
- メニューの「スライドショー」タブをクリック
- 「スライドショーの設定」を選択
- 「表示形式」から「個人用(ウィンドウ表示)」を選ぶ
- スライドショーを開始すると、全画面でなくウィンドウ上で展開される
図解イメージ
ウィンドウ表示では、PowerPointが別の独立したウィンドウになり、Zoomの「画面共有」ボタンを押すと「PowerPoint Slide Show」という名前で出現します。
Zoomで正しいウィンドウを選択できていない

スライドショーと通常の編集画面は別ウィンドウです。
Zoomで編集画面を選んでしまうと、プレゼンの動作は視聴者側に反映されません。
正しい操作手順
- Zoomで「画面の共有」をクリック
- 「ウィンドウ」タブを開く
- 「PowerPoint Slide Show」または「スライドショー」と表示されたウィンドウを選ぶ
- 共有開始ボタンをクリック
補足
スライドショーを起動してから画面共有を選ぶと、選択肢が明確になります。
ZoomとPowerPointの起動権限の不一致による不具合
Zoomを「管理者権限」で起動し、PowerPointを通常起動していると、OSのセキュリティ制限によってアプリ間連携がブロックされ、ウィンドウ共有や音声共有ができなくなることがあります。
推奨:両方とも通常起動、または両方とも管理者で起動
統一方法の例(Windows)
- Zoomを終了する
- PowerPointを終了する
- 両方を右クリックし「管理者として実行」する
または - 両方をダブルクリックで通常起動
デュアルディスプレイ環境でスライドが出力されない

ノートパソコン+外部ディスプレイ環境などでよくあるトラブルです。
PowerPointは「メイン画面と別画面にスライドを出力する」設定がされていると、Zoomで選択すべきウィンドウが表示されないことがあります。
設定確認方法
- PowerPointで「スライドショー」タブを開く
- 「モニター」設定を確認
- 「スライドショーを表示するモニター」を「自動」または「このディスプレイ」にする
Zoomの画面共有も、スライドショーが出力される画面に一致させてください。
スライドショーを先に起動するとZoomが検出できない
Zoomでは、すでに起動しているウィンドウしか共有対象にできません。
スライドショーを先に立ち上げると、Zoom起動時に認識されないケースがあります。
解決策:Zoomの「画面共有」から先に共有を開始し、その後スライドショーを実行
macOSで画面共有できない場合のチェックポイント

macOSでは、アプリごとに「画面収録」の権限を与えなければ、画面の共有自体がブロックされます。
この設定はシステム環境設定から可能です。
操作手順(macOS Ventura以降)
- 「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 左メニューの「画面収録」を選択
- Zoomにチェックが入っているか確認。なければオンに
- 設定後、Zoomを再起動
Zoom側の設定が原因で映らないこともある
Zoomには
「ハードウェアアクセラレーションを使用する」
設定があり、これが環境によっては描画トラブルの原因になります。
オフにする手順(Windows)
- Zoomを開く
- 右上の歯車(設定)アイコン → 「ビデオ」→「詳細」
- 「ハードウェアアクセラレーションを使用する」のチェックをすべてオフにする
- Zoomを再起動
トラブル時の代替手段:PDF化して共有する方法
どうしてもスライドショーがうまくいかない場合、PDF形式に書き出して共有する方法があります。
操作手順
- PowerPointで「名前を付けて保存」または「エクスポート」
- ファイル形式を「PDF」に変更
- Zoomの画面共有で「PDFファイルを開いたウィンドウ」を選択
利点
- 動作が軽い
- トラブルが起きにくい
- 環境差異の影響を受けない
注意点
- アニメーションやスライド内の音声は無効になる
よくある質問(FAQ)

Zoomでスライド共有したのに黒画面になるのはなぜ?
- デュアルディスプレイ設定で、スライドショーが非表示の画面に出力されている
- Zoomの共有設定で正しいウィンドウを選んでいない
- グラフィックアクセラレーションの設定が合っていない可能性がある
編集画面しか共有できない。なぜ?
スライドショーが全画面表示で別ウィンドウ化されていない、またはまだ開始していないことが原因です。
「ウィンドウ表示」に切り替えることで解決できます。
スライドショー中にマウスが見えなくなるのはなぜ?
PowerPointの設定で「発表者ツールを使う」にチェックがある場合、別ウィンドウに切り替わることでカーソルが見えなくなることがあります。
発表者ツールを無効にするとカーソルが表示されやすくなります。
まとめ
- スライドショーは「ウィンドウ表示」に切り替える
- Zoomでは「スライドショーウィンドウ」を正しく選択する
- ZoomとPowerPointは同じ権限で起動する
- macOSは「画面収録」許可を確認
- デュアルディスプレイ環境ではモニター出力設定を要チェック
- Zoomの設定でハードウェアアクセラレーションをオフにすると安定する
- どうしてもダメなときはPDF共有も選択肢
ひとことアドバイス:
プレゼン本番の30分前にはZoomとPowerPointの動作テストを行い、共有が正しくできるか必ず確認しておきましょう。
参考リンク
- Zoom公式:画面の共有の仕組み
- Microsoft公式:PowerPointのスライドショー設定
- Apple公式:Macで画面収録の許可を設定する方法
- Zoom公式:ハードウェアアクセラレーションの設定方法