スマホやPCを毎日使う私たちにとって、セキュリティソフト選びは
「性能だけでなく、信頼と継続性」も重要です。
カスペルスキー(Kaspersky)は検出力の高さで定評がある一方、
「使い続けて大丈夫?」
「販売禁止になったの?」
「デメリットは?」
といった不安の声もあります。
本記事では、最新の客観情報と公式手順をもとに、使い続けるべきかの判断軸/一時停止(停止方法)/最新バージョンの確認とバージョンアップ/月額やプレミアムの位置づけ/完全削除までを、Android・Windows・Macの順にわかりやすく解説します。
また、規制や販売状況の**“地域差”、カスペルスキーに代わるセキュリティソフトの候補**も整理します。
Contents
- 1 この記事の結論(最初に要点)
- 2 カスペルスキーを使い続けるのは「大丈夫?」—判断フレーム
- 3 カスペルスキーの「評判」と実力(最新の客観テスト)
- 4 カスペルスキー デメリット(リスクも正面から)
- 5 「販売禁止になった?」の正確なところ
- 6 「カスペルスキー プレミアム」「月額」の位置づけ
- 7 「最新バージョン」確認と「バージョンアップ」の基本
- 8 「一時停止」「カスペルスキー停止方法」—安全に止める手順
- 9 「完全削除(アンインストール)」の確実なやり方
- 10 使い続けるなら設定しておきたい「3つの安心」
- 11 「カスペルスキーに代わるセキュリティソフト」は?
- 12 Androidスマホでの「カスペルスキー スマホ」運用のベストプラクティス
- 13 迷ったら:「使い続ける or 乗り換える」 判断フロー
- 14 よくある質問(FAQ)
- 15 まとめ
- 16 参考リンク
この記事の結論(最初に要点)
- 性能面の実力は依然トップクラス。
2024〜2025年の独立検証(AV-TEST、AV-Comparatives)でも高評価を継続。
検出率・誤検知・パフォーマンスで安定した結果を出しています。 - ただし地域事情に注意。
米国では2024年夏発表の規制により、新規販売停止(7月20日以降)と**更新配信の停止(2024年9月29日〈米国時間〉以降)**が決定。
Kaspersky側はリリースで「9月30日」と表現。
米国外は対象外ですが、国・組織ごとの方針を確認しましょう。 - ドイツBSIは「使用中止を推奨」(2022年)だが、一般利用の法的禁止ではない旨をFAQで明記。
判断は各組織・個人に委ねられています。 - 日本(個人向け)では販売・提供が継続(2025年9月29日現在)。
ラインアップはStandard/Plus/Premiumの三層が基本(旧Internet Securityは置き換え)。 - 判断のコツ:
「自分(や会社)が属する地域・業界の規制」「サポート継続性」「替えの効きやすさ」を基準に、継続 or 乗り換えを決めましょう。
カスペルスキーを使い続けるのは「大丈夫?」—判断フレーム

判断の3条件
- 1)地域・規制
- 米国居住・米国拠点の事業:
新規契約・更新不可、アップデート停止のスケジュールが定義されました(2024年7月20日以降の新規取引不可、9月29日(Kaspersky発表では30日)以降は定義されたアップデートも不可)。
米国内では速やかな代替策をおすすめします。 - ドイツ等の公的推奨:BSIは**「使用中止を推奨」。
ただし「禁止ではない」**(FAQ)。
企業コンプライアンスで乗り換え要件が出る場合があります。 - 日本の個人利用:販売・サポートは継続。通常通り選択肢に入ります。 kaspersky.co.jp
- 米国居住・米国拠点の事業:
- 2)用途・要件
- 金融・公共・重要インフラ・取引先要件が厳格な職場なら、規制動向に連動してソフト選定を。
- 個人用途で高検出率・高機能を重視するなら、引き続き現実的な選択肢です。
- 3)継続性・将来性
- 透明性強化(スイスへのデータ移管、トランスペアレンシーセンター)など、信頼担保の取り組みは継続。
ただし地政学リスクは残るため、いつでも移行できるバックアップ方針を。
- 透明性強化(スイスへのデータ移管、トランスペアレンシーセンター)など、信頼担保の取り組みは継続。
カスペルスキーの「評判」と実力(最新の客観テスト)
- AV-TEST(Android):
2025年前後の評価で上位常連。
モバイル保護の検出力・使い勝手で高スコア。 AV-TEST+1 - AV-Comparatives(2024総括・2025モバイル):
KasperskyはMain Test Seriesで高成績、モバイルレビューでも好評価。
長期でトップ評価が続く傾向。 - 製品ライン再編:
Standard/Plus/Premiumの新プランへ移行(旧Internet Security等は置き換え)。
要点:検出力・誤検知・軽さのバランスは依然強い。
**「性能は良い、ただし地域リスクは別途考える」**が基本姿勢です。
カスペルスキー デメリット(リスクも正面から)

- 地政学リスクと規制影響:
米国での販売・更新規制は事実。
将来的に他地域・企業でも調達方針に影響が及ぶ可能性。 - 組織要件との相性:
公共・特定産業では利用指針の変更が生じやすい(例:独BSIの使用中止推奨)。 - 乗り換えコスト:
多機能(VPN/パスワード管理など)をPremiumで一体運用しているほど、移行時の分離・再構成が手間。 - 価格の見通し:
月額/年額や台数割り当ては購入経路で異なる(公式ストア、量販、サブスク、モバイルストア)。
更新費やキャンペーンにより変動しやすい(具体金額は必ず購入画面で最新を確認)。 kaspersky.co.jp+1
「販売禁止になった?」の正確なところ
地域・主体 | 状況(2025/09/29時点) | 補足 |
---|---|---|
米国(連邦政府の決定) | 新規販売禁止:2024/07/20以降。アップデート停止:2024/09/29(米国時間)。Kaspersky発表では「9/30」と表現。 | 既存顧客も以降は定義された更新配信が受けられないため速やかな代替が必須。 |
ドイツBSI | 「使用中止を推奨」(2022/03/15)。禁止ではない(BSI FAQ)。 | 組織のリスク評価に基づき代替製品への切替を推奨。 |
EU機関の動き | 2018年、欧州議会がKaspersky製品排除の決議を採択(各機関の方針に影響)。 | 歴史的経緯として記載。現行の一般消費者禁制を意味しない。 |
日本(個人向け) | 公式サイトで販売・提供継続。 | 法的な一般禁止は公表されていません。購入前に所属組織の方針を確認。 |
結論:米国は実質的に不可。欧州は国や組織方針に左右。日本の個人利用は継続可能というのが現状です。
「カスペルスキー プレミアム」「月額」の位置づけ
- ライン構成:
Standard(基本保護)/Plus(VPN等のプライバシー強化)/Premium(ID保護・サポートを含む最上位)が基本。
旧Total Security相当がPremiumです。 - 月額/更新:年額・台数が中心だが、販売経路により月額・定期購入(モバイルストア等)が用意される場合も。
最終価格は公式ストアまたは購入画面で確認しましょう。
「最新バージョン」確認と「バージョンアップ」の基本

Windows / Mac(デスクトップ)
- **製品内
→ セキュリティ(またはアップデート)を開き、「データベース更新」または「アプリケーションモジュールの更新」**を実行。
自動更新を有効にしておけば、新版配信も自動適用されます。
必要に応じて再起動が求められます。 Kaspersky Support+1
図解イメージ:
ホーム画面の歯車
→ 「Security/Update」
→「Anti-Virus Database Update」ボタン
→ 進捗バーが100%になれば完了(再起動案内が出たら従う)。
Android(スマホ)
- アプリのクイック起動パネルで**「Update」をタップしてウイルス定義を更新。
My Kasperskyから遠隔で更新**を開始することも可能。 Kaspersky Support+1
「一時停止」「カスペルスキー停止方法」—安全に止める手順
注意:停止中は保護が弱まります。目的(インストールの邪魔、誤検知回避など)が終わったら速やかに再開しましょう。
Windows(保護機能の一時停止)
- タスクトレイのKasperskyアイコンを右クリック
- **「保護機能の一時停止」**を選択
- 再開タイミング(15分/再起動まで 等)を選び確定
- 作業後に**「再開」**
→ 保護を一時停止/再開する方法(公式)から操作可能。
一時停止はこちら(公式)から:https://support.kaspersky.co.jp/kfa/70886 support.kaspersky.co.jp
図解イメージ:画面右下の^を開き盾アイコン→右クリックメニュー→「保護機能の一時停止」→スライダーで時間→「OK」。
Android(リアルタイム保護の一時停止)
- アプリを起動 → プロフィール>設定>保護 から一時停止(UIはバージョンにより表記差あり)。
アンインストール前の停止や権限解除は下記の手順へ。 Kaspersky Support
「完全削除(アンインストール)」の確実なやり方

Windows
- 設定 → アプリ → Kaspersky をアンインストール
- 再起動
- 残存物がある/正常に消えない場合は**公式削除ツール「kavremover」**を使用 → 再起動で完了
kavremoverはこちら(公式):https://support.kaspersky.com/1464 Kaspersky Support
図解イメージ:
アプリ一覧のKaspersky行
→アンインストール→ウィザードで確認
→再起動
→必要ならkavremoverをダブルクリック
→利用規約
→削除対象を選んで実行
→再起動。
Mac
- アプリケーション内の専用アンインストーラを起動し、画面の案内に従って削除 → 再起動。
Android
- アプリ内のメニューからのアンインストールが確実(端末管理者権限を使っている場合があるため)。
1)アプリ起動 → プロフィール>設定>アプリをアンインストール → 次へ → 確認
2)できない場合:設定>セキュリティ>端末管理アプリ でKasperskyの権限を解除→通常のアンインストール
Androidアンインストール(公式):https://support.kaspersky.com/kaspersky-for-android/71927 Kaspersky Support
使い続けるなら設定しておきたい「3つの安心」
- (1)自動更新の徹底:
データベース更新・モジュール更新を自動に。失敗時の対処(時刻・DNS・プロキシ確認)も覚えておくと安心。 - (2)多層防御の確認:
Web保護・フィッシング対策・ランサム保護・ワイファイ監視をON。PremiumならVPNやパスワード管理も統合可。 - (3)緊急時の切り札:
kavremoverをブックマーク。誤作動や破損時に完全削除→再インストールで復旧。 Kaspersky Support
「カスペルスキーに代わるセキュリティソフト」は?

選び方の軸:
- 検出力(独立機関の実績)
- 動作の軽さ
- 価格と台数・OS対応
- 追加機能(VPN/パスワード管理/ID保護)
候補の一例(アルファベット順)
- Bitdefender:総合力が高く、独立検証での上位常連。
- ESET:軽快さに定評。日本でもサポートが安定。
- Norton 360:ID保護・クラウドバックアップ等の「全部入り」。
- Trend Micro(ウイルスバスター):日本市場での馴染み・サポート面が強み。
- Microsoft Defender(Windows標準):追加費用ゼロで一定の保護。
最新の独立検証レポート(AV-Comparatives/AV-TEST)で複数候補のスコアを横比較し、価格・台数・付加機能で決めるのが実践的です。 AV-Comparatives+1
Androidスマホでの「カスペルスキー スマホ」運用のベストプラクティス
- アプリは公式ストアから:Google Playなど信頼経路のみ。
- 通知・権限の最小化:不要な通知はアプリ設定でオフ、過剰な権限は見直す。
- 定期スキャン+手動スキャン:新規アプリ導入直後はオンデマンドスキャン。
- フィッシング・SMS詐欺対策:メッセージのURLは決して“即タップ”しない。
- 遠隔管理(My Kaspersky):紛失・盗難時のロックや消去、更新の遠隔実行に備える。 Kaspersky Support
迷ったら:「使い続ける or 乗り換える」 判断フロー

- あなたの居住国/事業地域を確認
- 米国:乗り換え一択(販売・更新規制)。 Bureau of Industry and Security
- それ以外:次へ。
- 組織方針・取引先要件は?
- 使用不可/推奨外:乗り換え。 Reuters
- 制限なし:次へ。
- 機能と代替の兼ね合い
- Premium一体運用(VPN・PW管理)→乗り換え時は機能分離の工数を見積もり。
- アンチウイルス中心→代替は容易。
- コスト・更新条件
- 年額/月額・台数/キャンペーン価格・更新費を比較。 kaspersky.co.jp
- 最終判断
- 継続:自動更新・多層防御ON・バックアップ策(kavremover)を確保。
- 乗り換え:卸・量販・公式の返金保証/乗換割も検討(各社条件)。
よくある質問(FAQ)

Q. カスペルスキーは本当に危険なの?
A. 検出性能が劣るという意味での“危険”ではありません。
技術評価は高いです。
ただし規制・政策リスクは現実に存在します。
米国の販売・更新規制、独BSIの推奨など**「環境に依存するリスク」**を分けて考えましょう。
Q. 旧「インターネット セキュリティ」と「プレミアム」の違いは?
A. 旧Kaspersky Internet Securityはライン再編でPlus等に置き換え。
PremiumはID保護・VIPサポートなど上位機能を含む最上位です。
Q. 月額で使えますか?
A. 提供形態は販売経路で異なります。
公式ストアは年額中心、モバイルストア等で定期購入(月額)が用意されることも。
最終価格は購入ページで要確認。
Q. 最新バージョンにしておけば安心?
A. 重要です。
データベース更新+アプリモジュール更新の両方を自動に。
失敗時は時刻・DNS・プロキシを確認。
Q. 完全削除がうまくいかない…
A. **kavremover(公式削除ツール)**を使用。
実行後に再起動してください。 Kaspersky Support
まとめ
- 性能は一級。 独立検証の上位常連で、検出力・誤検知・軽さの総合バランスが高い。
- ただし“地域・組織リスク”は別管理。 米国は不可、独BSIは中止推奨(禁止ではない)、日本個人は継続可が現状。
- 使い続けるなら:自動更新ON/多層防御ON/kavremoverを保険に。
- 乗り換えるなら:Bitdefender/ESET/Norton/Trend Micro/Defender等を独立検証スコア+価格・台数で比較。
ひとことアドバイス:
迷ったら「規制→組織方針→機能→コスト」の順で絞り込み。
日本の個人利用で高性能が必要なら継続も現実解。
米国や規制重視の現場では早めの計画的移行が安心です。
参考リンク
- BIS(米商務省)発表(米国内販売・更新の規制)
- BSI(ドイツ)FAQ:禁止ではないが「使用中止を推奨」
- Kaspersky Premium(日本公式)
- kavremover(公式アンインストールツール)
- AV-TEST(Androidセキュリティ最新評価)