SkypeからTeamsへ——
「Macで進めようとすると、どこかで詰まる」
という相談がとても多いです。
この記事では、個人向けSkypeの終了に伴うTeams Freeへの移行と、企業のSkype for Business(SFB)からTeamsへの移行を、Macでつまずきやすいポイントに絞ってやさしく深掘りします。
権限(カメラ・マイク・画面共有)/新Teamsアプリの要件/Outlook連携まで、順を追って丁寧にカバーします。
Contents
移行の全体像(まずここを押さえる)

結論:どのSkypeから、どのTeamsへ移るかで手順と難易度が変わります。
下表を見ながらご自身の状況を特定してください。
ケース | 何を使っていた? | いま何に移す? | 重要ポイント |
---|---|---|---|
個人利用 | Skype(個人) | Teams Free(個人向け) | 同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、チャットや連絡先が自動で引き継がれる(一部の例外あり)。Macでは新Teamsアプリの導入と権限の許可がカギ。 |
企業利用 | Skype for Business(Online/Server) | Teams(組織向け) | 管理者がTeamsOnly化や会議リンクの自動変換(MMS)を設計。Macクライアント側はアプリ更新とOutlook連携確認、権限の付与がポイント。 |
迷ったら、**アカウントの種類(個人MSAか、会社の組織アカウントか)**をまず確認。
ここを取り違えると前に進みません。
個人向けSkype → Teams Free(Mac)の手順
背景:個人向けSkypeは2025年5月5日にリタイア。
以降はTeams Freeが後継です。
Skypeで使っていたMicrosoftアカウント(MSA)でTeams Freeにサインインすると、チャットや連絡先が自動で引き継がれます(“自分宛てチャット”“プライベート会話”など一部は移行対象外)。 Microsoft Support+1
手順(Mac)
- Teams(新アプリ)をインストール
- macOSは直近の3世代がサポート対象。
Apple Silicon/Intelいずれも可。
インストール後は通知を許可しておくと良いです。 Microsoft Learn+1
- macOSは直近の3世代がサポート対象。
- Skypeで使っていたMSAでTeams Freeにサインイン
- サインイン後に自動移行が走り、チャット/連絡先が表示されます(数十秒〜)。
同一アカウントかどうかを必ず確認。
- サインイン後に自動移行が走り、チャット/連絡先が表示されます(数十秒〜)。
- Macの権限を付与(初回だけ)
- マイク/カメラ/画面共有(画面収録)を求められたら許可。
画面共有は**「プライバシーとセキュリティ → 画面収録」のTeamsをオンにしてからTeamsを一度終了→再起動**。
- マイク/カメラ/画面共有(画面収録)を求められたら許可。
- Skypeの自動起動をオフ/不要ならアンインストール
- システム設定 → 一般 → ログイン項目でSkypeをオフに。以後はTeams Free中心の運用へ。
図解イメージ(言葉で):
「Teamsを起動 → Microsoftアカウントでログイン → “ようこそ”画面 → 連絡先・過去の会話が並ぶ → 会議やコミュニティ機能が使える」
企業:Skype for Business → Teams(Macでの実務ポイント)

Skype for Business Onlineは2021/7/31で廃止。
サーバ版からの段階移行も、最終的にはTeamsOnlyがゴールです。
会議URLの置き換えには**Meeting Migration Service(MMS)**を使います(ユーザーのTeamsOnly化時に自動で走るのが基本)。
管理側の要点(超要約)
- モード設計:Islands →(必要なら段階)→ TeamsOnly
- 会議移行(MMS):既存のSkype会議URLをTeams会議に自動変換
- 音声(PSTN):Calling Plan/Operator Connect/Direct Routingから方式を選定
Macクライアントでやること
- 最新の“新Teams”アプリに更新(Apple Silicon最適化・起動高速化)
- OutlookとTeamsの連携を確認(MacのOutlookでTeams会議のスケジュールが可能)
- 画面共有の権限を付与(“画面収録”のオン→Teams再起動)
Mac特有の“つまずき”と対処

1) 画面共有ができない/無限に許可を求められる
- 原因:画面収録の権限未付与、あるいは設定が壊れている
- 対処:
- システム設定 → プライバシーとセキュリティ → 画面とシステムオーディオの収録(または画面収録)でTeamsをオン → Teamsを終了→再起動
- 一度Teamsの登録を削除→再追加して直るケースあり(一覧でTeamsを削除→再度追加)。 Microsoft SupportMicrosoft Learn
2) マイク/カメラが使えない
- 原因:マイク/カメラ権限がオフ
- 対処:プライバシーとセキュリティ → マイク/カメラでTeamsをオン→Teams再起動。
必要ならTeamsのキャッシュクリアで復旧することも。 Microsoft Learn
3) 新Teamsアプリの要件を満たしていない
- 症状:インストールできない/古いmacOSで動作が不安定
- 対処:対応macOS(直近3世代)を満たすか確認し、可能ならmacOSアップデート。 Microsoft Learn
4) Outlookに「Teams会議」ボタンが出ない(Mac)
- 原因:バージョン差/ポリシー/アドイン読み込み遅延
- 対処:OutlookとTeamsを最新版に、時間差で出現することも。
管理側は会議ポリシーでOutlookアドイン許可を確認。 Microsoft Support
Outlook連携(Mac):会議作成の最短ルート
- Outlook(Mac)の予定作成で「Teams会議」をオンにするだけ。ダイヤルイン契約があれば電話番号と会議IDも自動挿入。
- 既存のSkype会議招待が残っている場合は、MMSでの自動変換(または手動で差し替え)を。
電話(Teams Phone)を使う場合(企業)

方式 | 向くケース | ひとこと |
---|---|---|
Calling Plan | 小〜中規模/スピード重視 | マイクロソフト提供の番号を使う |
Operator Connect | 既存キャリアを活かしたい | 管理センターからキャリア直結 |
Direct Routing | 既存PBX/回線を活かす大規模 | SBCで柔軟に設計 |
MacでもTeamsクライアントでの通話体験は同じ。
代表番号/自動応答/キュー/緊急通報などはテナント側の設計で決まります(番号ポートは余裕を持って計画)。
速攻チェックリスト(困ったら上から順に)
- どのSkype→どのTeams?(個人MSAならTeams Free/組織アカウントならTeams(企業))
- 新Teams(Mac)は要件クリア&最新版か
- 画面収録/マイク/カメラの権限はオンか(変更後はTeams再起動)
- **Outlook(Mac)に「Teams会議」**が表示されるか
- 企業ならTeamsOnly化/MMSの計画は済んだか
よくある質問(本文で触れていない追加分だけ)

SkypeのデータはどこまでTeams Freeに移るの?
チャットと連絡先は自動移行されます(“自分宛てチャット”“プライベート会話”など一部は対象外)。
同じMSAでログインしているかを確認してください。
移行の期限やデータ保全は?
Skype終了後もしばらくの間はデータのエクスポートが可能(具体的な猶予は公式の案内どおり)。
早めのTeamsログインとバックアップをおすすめします。
会議リンク(Skype→Teams)はどうなる?
MMS(Meeting Migration Service)により、Skype会議URLがTeams会議URLに自動変換されます(企業・管理者設定)。
個別例外は手動差し替えで対応。
Macの画面共有だけ毎回失敗する
画面収録の権限が未許可/壊れている可能性が高いです。
オン→Teams再起動、改善しなければいったん削除→再追加を試してください。
まとめ
- 個人はMSAでTeams Freeにサインインすれば、チャット/連絡先が自動で引き継ぎ。
まず**新Teams(Mac)**を用意して、**権限(画面収録・マイク・カメラ)**を許可。 - 企業はTeamsOnlyをゴールに、MMSで会議URLを自動変換。Mac側はアプリ更新・Outlook連携・権限付与で安定運用。
- ハマったら、**「アカウント種別 → 新Teams要件 → 権限 → Outlook →(企業なら)MMS/ポリシー」**の順で外から内へ切り分けるのが近道。
参考リンク(公式)
- Skype終了とTeams Freeへの移行(Microsoft公式)
- 新しいTeams(Mac)の前提条件と導入
- Skype for Business Onlineの廃止とTeamsへの移行
- Meeting Migration Service(会議URLの自動変換)
- Outlook for MacでTeams会議をスケジュール