「毎回リンクが変わると参加者が迷う…」
「固定URLみたいに運用できない?」
結論から言うと、Teamsは“会議の作り方次第”で同じURLを使い回す運用が可能です(代表例:定期(繰り返し)会議やチャネル会議)。
ただし、セキュリティと参加権限の設計が最重要。
本ガイドでは、安全に“同じリンク”を運用する具体策と、やってはいけない運用まで解説します。
Contents
先に結論(ここだけ見ればOK)

- 一番ラクで安全:定期(繰り返し)会議にする → シリーズで同じ参加リンクを使えます。
- チーム内で恒常運用:チャネル会議(チームのチャネルに紐付け)→ チームメンバーはチャネルから毎回同じ場所で参加でき、権限もチーム基準で整います。
- 都度の単発会議を“コピーして使い回す”のは非推奨:招待管理・セキュリティが破綻しやすく、想定外の参加を招きます。
- 再利用時の必須対策:ロビー(待機室)設定/参加者ロール制御/匿名参加の可否/ロビー入室権限を見直し、録画・文字起こしの権限も必要に応じて絞る。
- Outlookから作成しても挙動は同じ:Teams会議トグルをON→会議オプション/シリーズ設定でコントロール。
“使い回し”の考え方を整理(会議タイプ別のURL挙動)
会議タイプ | URLの扱い | こんな時に最適 | 権限・運用のコツ |
---|---|---|---|
定期(繰り返し)会議 | シリーズで同じ参加リンクを使用(週次定例など) | 同じメンバー・同じ趣旨の定例 | 会議オプションで発表者/ロビーを固定。必要ならシリーズ全体の共同主催者を設定 |
チャネル会議 | チャネルの“場所”に紐づき、毎回同じ場所から参加できる(URLもチャネル文脈で一貫) | チーム(部署/プロジェクト)で恒常的に実施 | チームのメンバー権限が基準。新メンバー追加・離脱が自動反映 |
単発(非チャネル)会議 | 1会議=1リンクが基本 | スポットの打合せ | 使い回しを前提にしない。必要なら定期会議に切替 |
Meet now/即時会議 | その場の臨時リンク | いますぐ短時間で話したい | 恒常運用には不向き。定例には使わない |
ポイント:“同じメンバー/同じ目的”なら定期会議、“同じ場(チーム)で継続”ならチャネル会議が鉄板。
単発会議のURLをコピペ再利用は避けましょう。
ベストプラクティス:安全に“同じURL”を運用する手順

1) 定期(繰り返し)会議で“固定リンク”運用
- Outlook/Teamsのカレンダーで「新しい会議」→ 繰り返し(毎週・隔週など)を設定。
- 参加者/タイトル/時間を決めて保存。
- 作成後、会議オプションから以下を調整:
- ロビー:組織内のユーザーのみ自動入室/招待されたユーザーのみ など
- 発表者:自分のみ/特定の人(共同主催者含む)
- 匿名参加:許可/不許可
- 録画・文字起こし:許可範囲(Teams Premiumなら誰が録画できるかを細かく制御可能)
- 以降はシリーズの同じリンクで参加可。
時間変更などの単発例外にも、基本は同じリンクが活きます。
2) チャネル会議で“場所ベース”運用
- Teamsの対象チーム>チャネルで「会議をスケジュール」。
- メンバーは**チャネルの投稿(会議カード)**から参加/過去回の資料やレコーディングにもアクセスしやすい。
- 参加・共有・録画の権限はチーム/チャネルの権限に沿うため、メンバー増減の管理コストが低いのが利点。
3) それでも“恒久URL”が必要なときの考え方
- 定例/チャネル運用が最優先。
どうしても外部公開で“単一URL”を掲示したい場合は、編集可能な短縮URL(リダイレクト先を毎回の会議リンクに付け替える)を使う方法もあります。 - ただし、公開URL=不特定が待機室に来る可能性があるため、ロビー強化・匿名参加の制限は必須。録画・文字起こしも適切に制御しましょう。
やってはいけない運用(トラブルになりがち)

- 単発会議のリンクを別の招待にコピペして再利用
→ 招待管理が崩れ、想定外の人が先回のリンクで再入室する恐れ。 - ロビーを全開(“全員自動入室”)+ 公開掲示
→ 荒らし/部外者の紛れ込みのリスク増。 - 権限を発表者に広く解放
→ 画面共有や録画が誰でも可能になり、情報保護上の懸念。
セキュリティと運用を両立させる設定チェック
- ロビー(待機室):**“組織内のみ自動入室”または“招待されたユーザーのみ”**を基本。
- 匿名参加:必要時以外はオフ。
- 発表者・共同主催者:必要最小限に。デモ担当などを特定の人へ限定。
- 録画・文字起こし:主催者/共同主催者のみに絞るか、Teams Premiumの会議テンプレート/ラベルで自動適用。
- 会議のロック:開始後にロックして招待外の飛び入りを防止(遅刻者は主催者がロビーから入室許可)。
- 定例の参加者増減:シリーズ本体を編集(“この会議のみ”編集だと抜け漏れが起きがち)。
Outlook連携のコツ(表示・招待・例外処理)
- Outlookで作ってもOK:Teams会議トグルをONにすれば、Teamsと同じ会議オプションが使えます。
- シリーズの一部だけ時間変更:個別の発生回を編集。URLは基本同じままでも、通知メールが複数飛ぶことがあるため、**件名に“第○回のみ時間変更”**など明記すると親切。
- 招待の途中参加/一時ゲスト:シリーズのその回だけに追加(ゲストはロビー/匿名可否も再確認)。
文字起こし・録画・保存先の要点(使い回し運用とセットで)
- 録画:開始/停止は会議中に操作。
- 保存先:
- 非チャネル会議=主催者のOneDrive>Recordings
- チャネル会議=チームのSharePoint(チャネルのDocuments>Recordings)
- 閲覧権限:招待者は既定で視聴可。編集(削除/共有設定変更)は主催者・共同主催者が中心。
- 自動有効期限:テナント既定(例:60日/120日/無期限など)に従う。必要に応じて期限延長や保持ポリシーを相談。
よくある質問(FAQ:本文で未回答のものだけ)

Teamsの会議リンクは**“永久固定URL”**にできますか?
厳密な“永久URL”の公式機能はありません。
実運用では定期会議やチャネル会議で“実質固定”にするのが安全です。
外部公開が必要なら編集可能な短縮URLで都度リンク先を入れ替える方法もあります(ロビー強化必須)。
旧回の参加者が先の回にも勝手に入れるのが心配です
ロビー=“招待されたユーザーのみ”にし、匿名参加を禁止、必要なら会議のロックを使います。
発表者権限も最小限に。
会議リンクはいつまで有効ですか?
明確な期限は組織ポリシーや会議の種類に依存します。
長期運用なら定期会議(シリーズ)やチャネル会議での管理+ロビー/権限の組み合わせが実務向きです。
録画のダウンロード/共有は誰ができますか?
主催者・共同主催者が編集可(ダウンロード/共有設定変更)。
視聴は招待者が既定で可能。
外部共有は組織ポリシーに従います。
まとめ(要点チェック&ひとこと)
- 使い回しの王道は定期会議(シリーズで実質固定リンク)とチャネル会議(“同じ場所”で継続)。
- 単発URLのコピペ再利用は非推奨。招待/権限制御が崩れやすい。
- ロビー・匿名参加・発表者・録画/文字起こしの設定をセットで見直し、安全と利便を両立させる。
- Outlook作成でも同じ挙動:トグルON→会議オプションで最適化すればOK。
ひとことアドバイス
固定URL“っぽく”運用したいなら、週次の定期会議にして、会議オプションをテンプレ化(Teams Premiumならテンプレ/ラベル活用)。
チャネル会議はメンバー入替に強く、長期運用の負荷が小さくておすすめです。
参考リンク(公式・信頼ソース)
- Microsoft サポート:会議の録画(誰が録画できるか、操作の基本)
https://support.microsoft.com/en-us/office/record-a-meeting-in-microsoft-teams-34dfbe7f-b07d-4a27-b4c6-de62f1348c24 - Microsoft Learn(管理):会議の録画と保存(OneDrive/SharePoint・権限)
https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/meeting-recording
https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/tmr-meeting-recording-change - Microsoft サポート:会議オプション(ロビー・ロック・権限)
https://support.microsoft.com/en-us/office/meeting-options-in-microsoft-teams-53261366-dbd5-45f9-aae9-a70e6354f88e - Microsoft サポート:会議IDで参加(ミーティングID/パスコードの仕組み)
https://support.microsoft.com/en-us/office/join-a-meeting-in-microsoft-teams-1613bb53-f3fa-431e-85a9-d6a91e3468c9
https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-teams/join-a-meeting - Office 365 IT Pros(MVPブログ):定期会議は同じオンラインワークスペース(=実質同一リンク)
https://office365itpros.com/2020/12/03/teams-recurring-meetings/ - 大学KB(運用実例):定期会議は各回で同じ参加リンク
https://servicedesk.uwgb.edu/TDClient/33/Portal/KB/PrintArticle?ID=3618