会議の前にリマインドを送りたい、業務時間に合わせて告知を流したい――
そんな時に便利なのが、Microsoft Teams の予約投稿(予約送信)です。
現在はチャットの「予約送信」に加え、チャネル投稿の「予約送信」にも対応しており、PC・モバイルのどちらからでも日時を指定できます。
本記事では正しい手順とできること/できないことを整理し、上限・制限、トラブル対処、予定表(カレンダー)での予約との違いまで、実務で迷わない形でまとめました。
これをブックマークしておけば、予約投稿まわりで困る場面はぐっと減るはずです。
Contents
- 1 まず押さえる:予約投稿の全体像(チャット/チャネル)
- 2 PC(デスクトップ/Web)での手順:チャットの予約送信
- 3 モバイル(iPhone/Android)での手順:チャットの予約送信
- 4 チャネル投稿の予約送信(アナウンス/通常投稿)
- 5 予約投稿の「上限・制限」まとめ
- 6 予定表(カレンダー)で会議やイベントを「予約」する方法(混同に注意)
- 7 チャット/チャネルの予約送信:できること・できないこと(早見表)
- 8 投稿できない・表示されない:トラブルの見分け方と対処
- 9 匿名投稿はできる?(結論:チャット/チャネルの匿名投稿は不可)
- 10 Power Automate で「1週間以上先」「定期配信」を実現する
- 11 ベストプラクティス:予約投稿を“効く運用”にする工夫
- 12 よくある質問(本文未掲載の補足のみ)
- 13 まとめ
- 14 参考リンク
まず押さえる:予約投稿の全体像(チャット/チャネル)

- 対応範囲
- チャット:1対1、複数人チャットで**「Schedule message / 送信を予約」**が使えます。
- チャネル:チーム内のチャネルでも**「Schedule message / 送信を予約」**が使えます。
- 操作感
送信ボタン付近(PCは送信横のメニュー、モバイルは送信ボタンの長押し等)から「送信を予約」を選び、日時を指定して確定。
投稿前なら編集・再スケジュール・削除が可能です。 - 使いどころ
- 相手の勤務時間に合わせた送信
- 会議前リマインドや段取りメッセージ
- 定時アナウンス(当番連絡、朝礼連絡、障害対応の窓口案内 など)
イメージ:
①メッセージ作成欄 → ②「…」メニュー/送信長押し → ③「送信を予約」 → ④日付と時刻を選択 → ⑤「送信」ボタン(指定日時に自動投稿)。これを「チャット」と「チャネル」の両方で同じ流れとして描くと理解が早いです。
PC(デスクトップ/Web)での手順:チャットの予約送信
- チャットを開いてメッセージを入力
- 送信ボタン横の**メニュー(…)または「アプリと操作」**を選択
- **Schedule message(送信を予約)**を選ぶ
- 日付と時刻を指定して続行
- 送信(指定時刻に自動送信)
- 編集・再スケジュール・キャンセル
送信前の予約メッセージにマウスを合わせ、編集から内容・日時を変更、あるいはその他の操作 → 削除でキャンセル可能。
ポイント
- 相手が未読でもOK:指定時刻に自動送信され、相手側に通常の新着として届きます。
- 急ぎの扱い:予約時は重要/至急(Urgent)フラグなど一部が使えない場合があります(後述の「制限」参照)。
モバイル(iPhone/Android)での手順:チャットの予約送信

- Teams モバイルでチャットを開きます
- メッセージを入力
- 送信ボタンを長押し(または送信横のメニュー)
- **Schedule send(送信を予約)**をタップ
- 日時を選び、送信を確定
- 編集・再スケジュール・キャンセル
予約済みメッセージを長押しして編集/再スケジュール/削除を実行できます。
コツ
- 会議直前+10分など、余裕を持った時刻設定が実務では安心です。
- 予定が変わったら、予約メッセージを素早く編集して最新の案内に差し替えましょう。
チャネル投稿の予約送信(アナウンス/通常投稿)
- 対象のチーム → チャネルを開き、投稿を作成
- 作成欄の**「…」メニューからSchedule message(送信を予約)**を選択
- 日時を指定 → 続行 → 送信
- 編集・再スケジュール・キャンセル
予約済みのチャネル投稿は編集で本文・日時を変更でき、その他の操作 → 削除でキャンセル可能。
注意点
- チャネルのモデレーション(投稿権限制御)が有効だと投稿できない/承認待ちになることがあります。運用上、告知用チャネルはモデレーション方針を明確にしておきましょう(後述のトラブル対策)。
予約投稿の「上限・制限」まとめ

実務でよく聞かれるポイントを先に整理します。
どこまで先の日時を予約できる?
過去の案内(パブリックプレビュー時点)では「最大7日先」という制限が明記されていました。
一方、現在のユーザー向け公式ヘルプには具体的な上限の明記はありません。
テナントやクライアントのバージョン差で挙動が異なることもあるため、日時ピッカーの範囲がグレーアウトするかを実機で確認してください。
上限を超える長期・定期の予約が必要なら**Power Automate(後述)**が現実解です。
- 至急(Urgent)や重要マーク
予約送信では至急(Urgent)や一部の重要マークが使えない仕様が告知されていた時期があります。
緊急連絡は即時送信+通話など別経路を推奨。 - 編集・削除の可否
投稿前なら自由に編集・再スケジュール・削除できます。
送信後は通常のメッセージ同様、編集/削除(組織ポリシーの許容範囲内)で扱います。
長期・定期の予約はどうする?
- Power Automate の「スケジュール済みクラウドフロー」+Teams コネクタを使えば、毎週○曜○時などの定期ポストや1か月以上先の一括予約も可能です。
IT管理のルールに沿って活用しましょう。
予定表(カレンダー)で会議やイベントを「予約」する方法(混同に注意)
Teams の**予定表(Calendar)**は、会議やイベントのスケジュールを予約する機能です。
メッセージの予約送信とは別物ですが、用途が近いので合わせて押さえておきましょう。
- PC/モバイル共通の流れ
予定表を開く → 新しい会議/イベントを作成 → 日時・参加者・場所/オンラインを設定 → 保存/送信。 - 使い分け
- 予約投稿:告知・連絡を特定時刻に投稿したい
- 予定表:**会議招待(参加者の予定反映/招待メール)**を出したい
- 実務Tip:会議の「直前リマインド」は予約投稿で、会議そのものの設定や招待は予定表で――と使い分けるのが効率的です。
チャット/チャネルの予約送信:できること・できないこと(早見表)
項目 | チャット予約送信 | チャネル予約送信 | 備考 |
---|---|---|---|
PC/モバイルからの設定 | 可能 | 可能 | 送信ボタンのメニュー/長押し |
送信前の編集・再スケジュール・削除 | 可能 | 可能 | 送信後は通常編集・削除の扱い |
長期(1週間超)・定期予約 | 制約ありの可能性 | 制約ありの可能性 | Power Automate推奨 |
緊急(Urgent)等の強調 | 制限される場合あり | 制限される場合あり | 緊急は即時送信推奨 |
権限制御の影響 | 少 | 中 | チャネルのモデレーションやゲスト権限の影響を受けやすい |
投稿できない・表示されない:トラブルの見分け方と対処

症状別に、原因の切り分けと対処を並べます。
- 「送信を予約」が見当たらない
- クライアントが旧バージョン/機能無効化 → 最新版に更新し、新しい Teams(New Teams)を利用。テナントのメッセージポリシーで無効化されている可能性もあるため、管理者に確認。
- チャネルに投稿できない/権限エラー
- チャネルのモデレーションがオンだと、新規投稿を許可された役割のみが投稿可能。
管理者/所有者に**「誰が新規投稿できる設計か」**を確認。 - ゲストは組織設定により権限が限定されます。
ゲスト権限と共有チャネルの制約をチェック。
- チャネルのモデレーションがオンだと、新規投稿を許可された役割のみが投稿可能。
- 投稿したのに表示されない/遅延する
- アプリの再起動、サインアウト→サインイン、**Web 版(teams.microsoft.com)**で再現確認。
- ネットワークや一時的なサービス側遅延の可能性。別端末/別ネットワークで切り分け。
- 通知設定が静かすぎる(ミュート・絞り込み)と見落とします。バナー/フィードの設定を見直し。
- 編集・削除ができない
- 組織ポリシーでメッセージの編集/削除が禁止になっている場合があります。IT 管理者へ確認。
イメージ:
「症状 → 原因候補 → 直す手順」を3列のボックスで結んだルート図。左から**“予約ボタンが出ない”/“権限で弾かれる”/“表示遅延”の3本ルートに分岐し、それぞれ更新・権限確認・再起動/Web 版確認**へつながるフローを描く。
匿名投稿はできる?(結論:チャット/チャネルの匿名投稿は不可)
- チャットやチャネルの通常投稿に「匿名投稿」はありません。
外部ユーザーはゲスト招待が前提です。 - 例外的に会議やウェビナーのQ&Aでは、主催者が**「匿名の質問を許可」をオンにすると匿名投稿が可能です(※あくまでQ&A機能内**の話)。
- センシティブな相談の受け皿は、Forms/Viva Engage(旧Yammer)の匿名投稿や社内ポリシーに沿った窓口を検討しましょう。
Power Automate で「1週間以上先」「定期配信」を実現する
ネイティブの予約送信では難しい長期・定期の予約を、Power Automateなら実現できます。
- 作り方の概要
- Power Automate → クラウドフローの作成(スケジュール)
- 開始日時と繰り返し間隔(例:毎週月曜9:00)を設定
- アクションで**「Teams:チャットまたはチャネルにメッセージを投稿」**を追加
- 必要ならAdaptive Cardや差し込み変数で内容を動的に
- 運用のコツ
- 変更や停止が簡単にできるようフロー名/説明を明確に。
- 当番週・担当者などを変数で差し替え可能にしておくと便利。
- 組織のDLP(データ損失防止)やコネクタ利用ポリシーに従うこと。
ベストプラクティス:予約投稿を“効く運用”にする工夫
- タイムゾーン配慮:相手の勤務帯に合わせて時刻指定(海外拠点には現地時間で)。
- 会議とセット運用:会議招待(予定表)+開始30分前の予約投稿で出席率向上。
- チャネル設計:告知専用チャネルはモデレーションで投稿者を限定、雑談と分離。
- メッセージの型:テンプレ(件名/本文/担当/問い合わせ先)を用意し、誤送信時も即修正できる運用に。
よくある質問(本文未掲載の補足のみ)

Teamsで予約投稿をするにはどうすればいいですか?
チャットもチャネルも、作成画面の**「送信を予約」から日時指定 → 送信**でOK。
送信前は編集・再スケジュール・削除が可能です。
Teamsの予定表はどうやって作るの?
予定表を開いて新しい会議を作成し、日時・参加者・場所を入れて保存/送信。
予約投稿(メッセージ)とは別機能です。
Teamsの予約投稿は1週間までですか?
プレビュー期には「最大7日」制限が明示されていました。
現行ヘルプでは上限の明記なしのため、実機の日時ピッカー挙動を確認してください。
長期・定期は Power Automate が確実です。
teams 投稿できない/投稿が表示されない
チャネルのモデレーション/ゲスト権限/組織ポリシーの影響を疑い、アプリ再起動/Web 版確認/管理者への権限確認で切り分けます。
teams 投稿 編集/削除
送信後は通常のメッセージ同様、編集/削除(許可されていれば)が可能。
予約中は内容・日時の変更や削除ができます。
teams チャット 予約送信/teams 予約/teams 投稿
意味が近いためまとめます:チャット/チャネルとも**「送信を予約」**で日時指定。
緊急は即時送信を推奨。
まとめ
- チャット/チャネルともに**「送信を予約」**で日時指定が可能。
- 投稿前なら編集・再スケジュール・削除ができるため、安心して使える。
- 上限は環境依存の可能性があるため、長期・定期は Power Automateで。
- **予定表(会議予約)**はメッセージ予約とは別。リマインドは予約投稿、会議設定は予定表で使い分け。
- 投稿できない/表示されない時はモデレーション・ゲスト権限・ポリシーを確認し、アプリ再起動/Web 版で切り分ける。
ひとことアドバイス
まずは**「来週の定例の30分前リマインド」をチャットとチャネルで1本ずつ**作ってみてください。
運用のツボ(編集・差し替え・取り消し)が最短で体に入ります。
参考リンク
- Schedule chat messages in Microsoft Teams(公式)
- Schedule channel messages in Microsoft Teams(公式)
- Schedule a meeting in Microsoft Teams(公式)
- Edit or delete a sent message in Microsoft Teams(公式)
- Change moderator roles and settings in a channel(公式)