Windows11には「高速スタートアップ(Fast Startup)」という機能が存在します。
これは、パソコンの起動時間を短縮するために、シャットダウン時にカーネルセッションやドライバ情報を保存しておく仕組みです。
しかし実際には
「設定画面に高速スタートアップの項目がない」
「有効・無効の切り替えができない」
「そもそも高速スタートアップが使えない」
といった疑問やトラブルも発生しています。
この記事では、
- 高速スタートアップが表示されない原因と確認方法
- 無効化のメリット・デメリット
- 高速化の代替手段
などを深掘りして解説します。
Contents
高速スタートアップがない・表示されない理由とは?

高速スタートアップが表示されない、あるいは利用できない場合には、いくつかの原因が考えられます。
1. 「休止状態」が無効になっている
高速スタートアップは内部的に「休止状態(hiberfil.sys)」を利用して動作しています。
休止状態が無効になっていると、高速スタートアップの設定項目自体が表示されません。
対処法:休止状態の有効化
- 管理者権限でコマンドプロンプト(cmd)を起動
- 以下を入力してEnter:
powercfg /hibernate on
- 再起動後、「電源オプション」に高速スタートアップが表示されるようになります
高速スタートアップの有効/無効を切り替える方法
- 「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」
- 左側の「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックをオン/オフ
※この項目が表示されない場合は、休止状態が無効化されているか、ポリシー制限されている可能性があります。
高速スタートアップを無効にするメリットとデメリット

メリット
- デバイスや周辺機器の不具合が減る(例:USB機器が認識されない問題の解消)
- 起動時にクリーンな状態が保たれる
- 一部のアップデートやパッチが正しく適用されるようになる
デメリット
- シャットダウンからの起動が若干遅くなる(特にHDD搭載PC)
- 起動のたびにすべてのドライバが初期化されるため、負荷が上がることも
高速スタートアップの有効化は「パフォーマンス優先」、無効化は「安定性優先」という位置づけで考えると良いでしょう。
Windows11で高速スタートアップが“ない”代わりにできる高速化設定とは?
高速スタートアップが使えない場合でも、以下の設定を見直すことで起動速度や全体の操作感を改善できます。
1. スタートアップアプリの見直し
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「スタートアップ」タブを確認
- 起動時に不要なアプリを「無効」に設定
2. システム構成(msconfig)でブート設定を調整
- 高速ブート設定で、OS読み込みプロセスを軽量化
3. 不要なサービスを停止
- 「services.msc」で自動起動している不要なバックグラウンドサービスを停止(慎重に実施)
4. SSDを搭載する
- SSD搭載PCであれば、高速スタートアップがなくても起動は十分に速くなります
よくある質問(FAQ)

Q. 高速スタートアップが表示されないのはバグですか?
→ いいえ。
多くの場合、「休止状態」が無効になっているか、システム設定により非表示になっているだけです。
Q. 高速スタートアップを有効にしたら不具合が出ました。
→ USB機器やネットワーク機器に影響が出るケースがあります。
無効化して様子を見るのが効果的です。
Q. Windows11で高速スタートアップは非推奨ですか?
→ Microsoftは「推奨」として位置づけていますが、安定性を重視するユーザーには無効化が選ばれる傾向にあります。
まとめ|高速スタートアップが“ない”ときは休止状態と設定確認から
- 高速スタートアップが表示されない場合、まず「休止状態」が有効かどうかを確認
- 無効にしても、起動の高速化は他の方法で十分補える
- 不具合が出ているなら、むしろ無効化が安定性を高めることも
- Windows11のパフォーマンスを最大限引き出すには、ハード・ソフト両面からの調整が必要です