Word文書にパスワードをかけて情報を保護したいと思っても、
「パスワード設定ができない」
「項目がグレーアウトしている」
「保存時に選べない」
などのトラブルに直面することがあります。
この記事では、Wordでパスワードを設定できない原因とその対処法、実際の設定方法、フォルダやPDF形式でのパスワード保護方法まで、あらゆるパターンを解説します。
Contents
【基本】Wordでパスワードを設定する方法(ファイル単位)
1. 開くときのパスワードを設定する
- [ファイル] → [情報] → [ドキュメントの保護] → [パスワードを使用して暗号化]
- 任意のパスワードを入力 → [OK]
- 再入力して確認 → [保存]して終了
→ 次回開くときにパスワード入力が必須となります
2. 編集制限用パスワードを設定する
- [ファイル] → [情報] → [ドキュメントの保護] → [編集の制限]
- 「編集を許可する種類」を選択(例:読み取り専用)
- 「はい、保護を開始します」→ パスワードを入力
→ 閲覧は自由、編集はパスワード入力が必要という制限が可能です
【トラブル】Wordでパスワードが設定できない場合の主な原因と対処法

原因 | 対処法 |
---|---|
Officeの体験版またはビューアを使用している | 正規版のOfficeをインストール(Word 365/2019/2021など) |
クラウド(OneDrive)上のファイルを編集中 | 一度ローカルに保存してから設定を行う |
ファイル形式が.doc(古い形式) | .docx形式に変換してから再度設定 |
ファイルがすでに保護ビューで開かれている | 保護ビューを解除 → 編集を有効にしてから再操作 |
共有中の文書で編集制限が有効になっている | [レビュー]→[制限の解除]で設定可能に |
【補足】パスワード設定時の注意点
- パスワードは復元できないため、絶対に忘れないように保管が必須
- セキュリティの観点から推測されやすい語句(1234など)は避ける
- 複雑なパスワードを使う場合は、パスワードマネージャーの使用も検討
【応用】WordからPDFに変換してパスワードを設定する方法
WordにはPDF変換機能があり、その際にパスワード保護を追加することも可能です(外部ツール使用)
方法①:Adobe Acrobat Proで設定
- Wordファイルを開く
- [ファイル] → [エクスポート] → PDFとして保存
- Adobe AcrobatでPDFを開く
- [ファイル] → [プロパティ] → [セキュリティ]タブでパスワードを設定
方法②:無料オンラインツールを使う(安全性注意)
- Smallpdf、iLovePDFなどで「PDFにパスワードをかける」機能を使用
→ セキュリティが重要な書類の場合はクラウドサービスの利用は避け、ローカルソフトを推奨
【補足】Wordフォルダにパスワードをかけたい場合

Word自体にはフォルダ保護機能はありませんが、以下の方法で代替可能です:
方法①:フォルダをZIP圧縮してパスワード保護
- Wordファイルをフォルダにまとめる
- フォルダを右クリック → [送る] → [圧縮(zip)フォルダー]
- 7-ZipやWinRARなどでパスワード付きZIPを作成
方法②:Windows BitLockerでフォルダ保護(Pro版のみ)
- BitLockerを有効にし、パスワードでフォルダごと暗号化
【補足】Wordパスワードの文字数・回数制限は?
- 入力できる文字数:最大255文字まで(推奨は8~20文字程度)
- 間違い回数:Word自体に試行制限はないが、外部ツール連携や社内セキュリティでは制限がかかる場合も
よくある質問(FAQ)

Wordでパスワードが設定できないのはなぜ?
→ 使用中のバージョン・ファイル形式・保護ビューの影響が考えられます。
Wordで設定したパスワードを削除するには?
→ [情報] → [ドキュメントの保護] → 設定済みパスワードを空欄にして保存し直します。
パスワード入力画面が出ないのですが?
→ 暗号化が正しく設定されていない可能性があります。
設定手順を見直してください。
まとめ
- Wordでパスワードを設定できない原因は環境・形式・設定手順に依存
- パスワードは「開くとき」用と「編集制限」用の2種類がある
- PDF化やフォルダ単位での保護には別ツールの活用も有効
- 試行制限や復旧手段がないため、パスワード管理には十分注意