老後の収入源として「企業年金」と「厚生年金」を両方受け取れるか気になる方も多いのではないでしょうか。
両制度を正しく理解し、活用することで老後の生活設計を安定させることが可能です。
本記事では、企業年金と厚生年金の仕組み、併用の条件、受給額の計算方法、税金の影響について詳しく解説します。
Contents
企業年金と厚生年金の基本的な仕組み
厚生年金の概要
厚生年金は、日本の公的年金制度の一部で、会社員や公務員が加入する年金です。
支払った保険料に基づいて、老齢厚生年金として65歳以降に受給できます。
以下が特徴です。
- 被保険者と事業主が保険料を折半して支払う。
- 受給額は加入期間と平均標準報酬額に応じて計算される。
企業年金の概要
企業年金は、厚生年金に上乗せして支給される私的年金です。
企業が独自に設ける制度で、以下の2つのタイプがあります。
- 確定給付企業年金(DB):受給額が事前に決まっている制度。
- 確定拠出年金(DC):掛け金を運用し、その結果に応じて受給額が決まる制度。
企業年金と厚生年金は両方受け取れる?
両方受給は可能
企業年金と厚生年金は併用して受け取ることが可能です。
企業年金は、厚生年金を補完する形で設計されているため、両方を受給することで老後の生活資金を確保しやすくなります。
具体例
例1:会社員が定年退職後に受給するケース
- 厚生年金:月額10万円
- 企業年金:月額5万円
- 合計受給額:15万円
企業年金が厚生年金に与える影響
減額調整の心配は不要
企業年金は、厚生年金の受給額に影響を与えません。
両方の年金が独立した制度であるため、企業年金の受給が理由で厚生年金が減額されることはありません。
年金受給時の所得税との関係
企業年金と厚生年金を受給すると、それらが合算されて課税対象となる場合があります。
課税額を抑えるためには、控除を最大限活用することが重要です。
受給額の計算とシミュレーション方法
受給額の試算
例:厚生年金と企業年金を受給する場合
- 厚生年金:月額12万円
- 確定給付企業年金(DB):月額6万円
- 確定拠出年金(DC):毎月の取り崩し額3万円
合計受給額:21万円/月
シミュレーションの活用
企業年金の運用成績や受給タイミングによって受給額が変動するため、早めにシミュレーションを行うことをおすすめします。
多くの企業が提供する専用システムや、金融機関のツールを活用すると便利です。
税金や社会保険料の影響を確認しよう
所得税と住民税
企業年金と厚生年金を受給すると、それらが合算されて課税対象となります。
控除額を超えた部分に対して所得税と住民税が課されます。
- 公的年金等控除を活用することで課税額を軽減できます。
社会保険料への影響
年金受給額が多い場合、後期高齢者医療制度の保険料や介護保険料が増加する可能性があります。
老後資金設計における企業年金と厚生年金の活用
受給開始のタイミングを調整するメリット
- 厚生年金の繰り下げ受給で受給額を増やす。
- 企業年金を一時金として受け取るか、分割して受け取るかを検討する。
安定した生活設計を目指す
企業年金と厚生年金の両方を受け取ることで、老後の生活資金を安定させることができます。
ライフプランに基づいた最適な選択を行いましょう。
よくある質問(FAQ)
企業年金の種類によって受給条件は変わりますか
確定給付型企業年金(DB)は定められた条件に従って支給され、確定拠出年金(DC)は運用結果に応じた受給額になります。
企業年金の種類によって条件が異なるため、詳細は勤務先に確認してください。
企業年金を受け取ると厚生年金は減額されますか
いいえ。
企業年金の受給が理由で厚生年金が減額されることはありません。
年金受給時の税金を減らす方法はありますか
公的年金等控除を活用することで課税額を抑えることが可能です。
また、退職金として一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用されるため、税負担が軽減されます。
まとめ
企業年金と厚生年金は、併用して受け取ることが可能です。
それぞれの制度を活用することで、老後の生活資金を確保しやすくなります。
受給額や税金の影響をしっかりと把握し、自分に最適な年金設計を考えましょう。