在職老齢年金では、一定以上の収入があると年金の一部または全額が支給停止になる仕組みがありますが、加給年金にも同様の影響があるのをご存知でしょうか?
この記事では、在職老齢年金の支給停止が加給年金に与える影響や、その条件について詳しく解説します。
また、働きながら加給年金を受け取る方法についても考察します。
Contents
加給年金とは?制度の仕組みをおさらい
加給年金は、老齢厚生年金の受給者が扶養している配偶者や子ども(一定条件を満たす場合)のために支給される年金です。
加給年金の概要
- 受給条件
- 老齢厚生年金の受給権を持つ人が、65歳未満の配偶者または18歳未満の子どもを扶養している場合。
- 配偶者には、年収850万円未満という収入制限があります。
- 支給額(2023年度時点)
- 配偶者の場合:年間22万4,900円
- 子ども1人目・2人目の場合:それぞれ年間22万4,900円
- 子ども3人目以降の場合:年間7万4,900円
支給される年金の位置づけ
- 加給年金は、老齢厚生年金に付加される形で支給されます。
そのため、老齢厚生年金が支給停止になると、加給年金も同時に影響を受けます。
在職老齢年金の支給停止と加給年金の関係
在職老齢年金は、働きながら老齢厚生年金を受け取る場合に、収入額に応じて支給額が調整される仕組みです。
この調整は老齢厚生年金だけでなく、その一部である加給年金にも影響します。
支給停止の仕組み
- 支給停止基準額
- 65歳以上:月収(賃金+年金額)が47万円を超えると、超過額に応じて年金が減額または全額停止されます。
- 60~64歳:基準額は28万円。
- 加給年金の影響
- 老齢厚生年金が全額支給停止となった場合、加給年金も同様に支給停止になります。
- 部分的な減額の場合、加給年金も比例して調整される可能性があります。
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支給停止の基準:どのような条件で加給年金が停止される?
加給年金が支給停止されるケースについて、具体的に説明します。
主な条件
- 老齢厚生年金が支給停止された場合
- 加給年金は老齢厚生年金に付随するため、老齢厚生年金が全額停止されると加給年金も支給されなくなります。
- 扶養対象者の収入が基準を超えた場合
- 配偶者が働いている場合、その収入が年額850万円を超えると加給年金の支給資格を失います。
- 被保険者の収入が基準を超えた場合
- 被保険者本人(老齢厚生年金の受給者)が在職老齢年金の基準額を超える収入を得ている場合、加給年金も停止されます。
加給年金を受け取りながら働く方法はある?
収入を調整することで、加給年金を支給停止されずに働くことも可能です。
以下の方法が考えられます。
方法1:収入を基準額以下に抑える
- 月収+年金額が47万円以下(65歳以上の場合)になるように勤務時間を調整する。
- パートタイム勤務や短時間勤務を検討することで、加給年金の停止を回避できます。
方法2:配偶者の収入を調整する
- 配偶者が働いている場合、収入が850万円未満になるように調整する。
- 収入を抑えることで加給年金を継続的に受け取ることが可能です。
方法3:専門家に相談する
- 社会保険労務士や年金事務所の相談窓口を活用し、現在の収入や年金額に基づいて最適なアドバイスを受ける。
まとめ:加給年金の確認ポイントと今後の注意点
在職老齢年金の支給停止は加給年金にも影響を与えますが、事前に条件を把握し適切に収入を調整することで、影響を最小限に抑えることができます。
この記事の要点
- 加給年金は老齢厚生年金に付随するため、支給停止の影響を受ける。
- 月収+年金額の基準額や配偶者の収入制限に注意が必要。
- 働きながら受給を続けるには収入調整や専門家の相談が有効。
加給年金が支給停止されないよう、収入や扶養状況を確認しつつ、制度を活用していきましょう。