1. 文の成り立ち
文はいくつかの語が集まってできています。
しかし、語をでたらめに並べても文になるわけではありませんよね?
そこには一定のルールがあり、日本文でも英文でも基本は
「~は…である」
「~が…する」
という形になります。
この「~は、~が」は、話の主題を示す部分であり、主部といいます。
主部について「…である」「…する」と述べる部分を述部といいます。
文の基本的な構造は、
「主部+述部」であることを次の例でチェックしましょう。
主部 | 述部 |
Spring
Little birds |
has come. (春が来た)
sing in the woods. (小鳥たちは森で歌う) |
Contents
①主部と主語、述部と述語動詞
簡単な文なら主部も述部も1語で終わることもありますが…
普通はいくつかの語が集まって主部になり、述部になっています。
主部の中心になる語を主語(S)
述部の中心になる語を述語動詞(V)
述語動詞は単に動詞ともいいます。
主部 (~は、~が) | 述部(…である、…する) |
主語(S) | 述語動詞(V) |
This (こちらが
Jim (ジムは |
is a friend of mine, Jim. 友人のジムです)
comes from America. アメリカ出身です) |
例として、”Jim and I” などのように主語が2語以上になることもあります。
(実際の文は基本通りにならないことが多いですが)
No problem. (大丈夫) Fire! (火事だ!)
上記も文ですね。
②文の要素
主部の中心になる語が主語(S)、述部の中心になる語が述語動詞(V)ですが、
文の骨組みとなる要素には、この他に補語(C)と目的語(O)があります。
My father is a teacher. (私の父は教師です)
S V C
He teaches English. (彼は英語を教えています)
S V O
補語 … 上の例文の teacher のように述部にあって主語または目的語を説明する語。
目的語 … 下の例文の English のように述部にあって述語動詞の表す動作の対象となる語。
これまでに述べた、主語(S)・述語動詞(V)・補語(C)・目的語(O)の四つを
文の主要素といいます。
主部 | 述部 | |
文の主要素 | 主語(S) | 述語動詞(V)・補語(C)・目的語(O) |
文を構成する主要素は、この四つだけですが、実際の文は主要素だけで成り立っていることは少ないんです。
各要素はだいたい色々な修飾語句(M)を伴っており、これらも文中で重要な働きをします。
My mother bought some apples at a fruit store.
M S V M O M
(私の母は果物店でいくつかのリンゴを買った)
mother bought apples
↑ ↑ ↑
My at a fruit store some
③品詞
英語の単語は約60万語もの数がありますが、その性質や文中での働きから分類すると、次の八つの品詞のどれかに当てはめることができます。
これを8品詞といいます。
名詞 | 人や物事を表す語 (例)father, George, coffee, honesty |
代名詞 | 名詞の代わりをする語 (例)I, you, this, some, who |
形容詞 | 名詞の状態・性質などを述べる語 (例)kind, small, lucky |
副詞 | 時、場所、様態などを表す語 (例)very, much, here, now |
動詞 | 動作・状態を表す語 (例)have, go, walk, know, read |
前置詞 | 名詞の前に置かれ、時・場所などを表す語 (例)at, in, on |
接続詞 | 語・句・文を結びつける語 (例) and, but, when, that |
間投詞 | 驚き・喜び・悲しみなどの感情を表す語 (例)oh, ah, hurrah |
What is your future dream?
疑問詞 動詞 代名詞 形容詞 名詞
(あなたの将来の夢は何?)
I like helping people and traveling.
代名詞 動詞 動詞 名詞 接続詞 動詞
(私は人助けをしたり旅行するのが好きです)
I want to work on a plane.
前置詞 前置詞 冠詞
(飛行機に乗って仕事がしたい)
<NOTE>
上記の例文に疑問詞( what )、冠詞(a)とあるのは、8品詞以外の特殊な種類の語です。
しかし、疑問詞は代名詞に、冠詞は形容詞に含めてOKです。
なお、同じ語でも、文中での働きによって異なった品詞になることがあるんです。
次の fast や rain を比べると…
・He can run fast. (彼は速く走れる)
→ fast は動詞(can run)を修飾する副詞。
・He is a fast runner. (彼は走るのが速い)
→ fast は名詞(runner)を修飾する形容詞。
文の主要素である主語・述語動詞・補語・目的語になるのはどんな語でしょうか?
例えば、主語は話の主題となる語ですから、名詞か代名詞であり、述語動詞は主語の動作・状態を表す語ですから動詞ですね。
8品詞に当てはめてみることが大切です。
文の要素と8品詞との関係は次のようになります。
文の要素 | 働き | おもな品詞 |
主語 「~は(が)」 |
文の主題となる | 名詞・代名詞 |
述語動詞 「~である」「~する」 |
主語の動作・状態を表す | 動詞(または「助動詞+動詞」) |
補語「~で(と)」 | 主語・目的語について説明する | 名詞・代名詞・形容詞 |
目的語 「~を(に)」 |
動詞の動作の対象となる | 名詞・代名詞 |
修飾語句 | 文の要素ではなく、文の要素を修飾する語 | 形容詞・副詞 |