35. 原級の用法
比較と言えば、どちらがすぐれているか、優劣を比べる場合が考えられます。
しかし、程度が同じであることを表すのも比較の大切な役割です。
原級は「 as + 原級 + as 」の形で、二つのものが同等であることを表すのに用いられ
ます。
① as ~ as, not as ~ as
「 as + 原級 + as 」は「~と同じくらい~」の意味で、二つのものを比べて程度が
同じであることを表します。
否定形は「 not as + 原級 + as 」、または、
「 not so + 原級 + as」。
so よりも as の方が口語的です。
A … as + 原級 + as B. 「AはBと同じ くらい」 |
My sister is as old as your brother. as + 形容詞 + as (私の妹はあなたの弟さんと同じ年です) Jack can swim as fast as you. as + 副詞 + as (ジャックはあなたと同じくらい速く泳げる) |
A … not as + 原級 + as B. 「AはBほど …でない」 |
He is not as [so] rich as you imagine. not as + 原級 + as (彼は君が思っているほど金持ちではない) She cannot cook as well as her mother. not as + 原級 + as (彼女はお母さんほどうまく料理ができない) |
as ~ as の形で、あとの as 以下の動詞の部分が前の部分と同じくり返しとなる場合は
省略してオッケー。
また、次の文では「 as + 形容詞 + a + 名詞 」の語順に注意しましょう。
前の as は副詞なので形容詞が冠詞の前にでます。
He is as good a tennis player as you.
(彼は君と同じくらいテニスが上手だ)
<NOTE>
A as well as B は「BだけでなくAも」の意味を表すが、well に強勢を置けば
「~と同じくらいうまく」の意味になる。
Mary plays the piano as well as her mother.
(マリーはお母さんと同じくらいピアノを上手にひく)
as A as B 「BでもありAでもある」 …as ~ as は異なる性質の比較に用いることが
ある。
She is as cute as wise. (= as she is wise)
(彼女は賢く、またかわいい)
② as ~ as の慣用表現
「 as + 原級 + as 」の形を応用した慣用表現に注意しましょう。
「~と同じくらい」という同等比較とはちがった意味を表す場合もあります。
❶ as ~ as one can = as ~ as possible 「できるだけ~」の意味。
We must run as fast as we can [ possible ].
(私たちはできるだけ速く走らなければならない)
❷…times as ~ as 「…倍の~」の意味。
ただし、「2倍の~」は twice as ~ as,「半分の~」は half as ~ as
とする。
I have three times [ twice, half ] as much money as you have.
(私はあなたの3倍 [ 2倍、半分] のお金を持っている)
❸ not so much A as B 「AというよりはむしろB」の意味。
He is a writer rather than a doctor.
(彼は医者というよりはむしろ作家だ)
❹ as ~ as any 「だれ [どれ] にも劣らず~」
as ~ as ever 「あいかわらず~」「これまでに~した~にも劣らず」の
意味。
She is as tall as any girl in the class.
(彼女はそのクラスのだれにも劣らず背が高い)
He is as diligent as ever.
(彼はあいかわらず勤勉だ)
ポイント
●程度が同等なら as ~ as, 不等なら not as ~ as.
「同じくらい~」as ~ as, 〔否定形〕not as ~ as
「…倍の」… time as ~ as / twice [half] as ~ as