8. 動詞の活用
動詞といえば、あの複雑な語形変化を思い浮かべる方も多いと思います。
初めのうちは理屈ぬきで覚え込むことも必要ですが、高校生ともなれば基本のルールを
整理して、体系的に覚えることが大切です。
動詞の語形には次の表にあげるような形があります。
原形 | 現在形 | 3人称単数 | 過去形 | 過去分詞 | 現在分詞 |
look make |
look make |
looks makes |
looked made |
looked made |
looking making |
現在形には、主語が3人称単数のときにだけ用いる特別な形が含まれていますが、普通は現在形と原形は同じ形です。
また、現在分詞は原形の語尾に -ing をつけて規則的に作ることができます。
そこで、上の表の変化形のうち「原形-過去形-過去分詞」の三つが基本となり…
この三つの変化を動詞の活用といいます。
①be 動詞、have の語形変化
be動詞は、現在形に、am, are, is の三つがあり、過去形に was, were, の二つがあります。
また、have は3人称単数に has を用いる点で、ほかの動詞とは違っていますね。
ここでまとめて覚えておきましょう。
原形 | 現在形 | 3人称単数 | 過去形 | 過去分詞 | 現在分詞 |
be have |
am, are have |
is has |
was, were had |
been had |
being having |
●be動詞は「~である、いる」の意味、have は「持っている」の意味でそれぞれ動詞
として用いるほかに、現在分詞・過去分詞とともに用いられることがあります。
・進行形「be動詞+現在分詞」
・受動態「be動詞+過去分詞」
・現在完了形「have+過去分詞」
・過去完了形「had+過去分詞」
この場合のbe動詞や have は、助動詞としての用法です。
②規則動詞
動詞の活用は、複雑なように見えますが、大部分は一定のルールに従って規則的に形が
変わります。
そのルールとは次の通り。
原形に-edをつけて過去形・過去分詞をつくる。
このような動詞を規則動詞といいます。
ただし、次の表に示すものに注意すること。
‐d をつけたり、語尾の形をかえて ‐ed をつけることがありますからね。
語尾の形 | つくり方 | 例 |
❶ e ❷「子音字+y」 ❸「短母音+1子音字」 |
-d だけをつける y を i にかえて-ed 子音字を重ねて -ed |
use → used study → studied stop → stopped |
❷❸はやや分かりにくいので、似かよった場合と比べてみましょう。
❷「母音時+y」ならばそのまま -ed をつける。play → played
❸「1母音字+r」の場合もrを重ねて -ed。 stir → stirred
ただし、「2子音や-x」ならばそのまま-edをつける。
help → helped, mix → mixed
また、「アクセントのない音節」で終わる場合も、そのまま -ed をつける。
limit → limited, offer → offered
●語尾の -ed の発音に注意。〔t〕〔d〕〔id〕の3種類があります。
原形の語尾が 〔t〕〔d〕なら〔id〕 wanted, ended
〔t〕以外の無声音なら〔t〕 asked, washed
〔d〕以外の有声音なら〔d〕 played, opened
③不規則動詞
不規則に変化する動詞は、規則動詞に比べて数は少ないですが、日常よく用いる語が多いです。
活用のしかたには、次のような型があるので、まとめて覚えておきましょう。
A-B-B 型 | buy - bought - bought make - made - made sell - sold - sold stand - stood - stood |
A-B-A 型 | come - came - come become - became - become run - ran - run (基本語ではこの3語のみ) |
A-A-B 型 | beat - beat - beaten (この1語のみ) |
A-A-A 型 | cut - cut - cut hit - hit - hit put - put - put shut - shut - shut |
A-B-C 型 | begin - began - begun give - gave - given go - went - gone write - wrote - written |
次のような活用形のまぎらわしい動詞に注意。
lie (横たわる〔自動詞〕) - lay - lain
lay (横たえる〔他動詞〕) - laid - laid
wind〔waind〕(巻く) - wound 〔waund〕-wound
wound〔wu:nd〕(傷つける) - wounded - wounded
ポイント
●不規則動詞の活用は、確実に覚えましょう。
規則動詞 …… 原形に -d または -ed をつける。
不規則動詞 … 動詞ごとに独自の活用をする。
④ -(e)s, -ing 形のつくり方
3人称単数現在形 -(e)s と現在分詞 -ing は、原形から規則的につくることができます。
ただし、なかには語尾の形がかわるものもあるので、次の❶❷の表を見て確かめておきましょう。
❶ 3人称単数現在形 -es たいていの動詞は -s をつけてつくる。
発音が〔s,z, ʃ, ʒ, tʃ, dʒ 〕 及び「子音字+o」で 終わる動詞 |
-s か、-es を つけ、語尾を -es にする |
wash → washes judge → judges go → goes |
「子音字+y」で終わる動詞 | y を i にかえて -es |
study → studies carry → carries |
● -(e)s の発音は〔iz〕〔z〕〔s〕の3種類があります。
(a) 原形が〔s,z, ʃ, ʒ, tʃ, dʒ〕で終わる場合は〔iz〕
watches 〔watʃiz〕, passes〔pæsiz〕
(b)原形が有声音で終わる場合は〔z〕
lives〔livz〕, goes〔gouz〕
(c)原形が無声音で終わる場合は〔s〕
stops〔stɑps〕, sits〔sits〕
※say〔sei〕→ says〔sez〕 (seizではない)
do〔du:〕→ does〔dʌz〕の発音にはとくに注意。
❷ 現在分詞 -ing たいていの動詞はそのまま -ing をつけてつくる。
発音しないeで終わる動詞 | e をとって -ing |
make → making give → giving |
「短母音+1子音字」 「1母音字+r」で終わる動詞 |
最後の子音を 重ねて -ing |
begin → beginning swim → swimming stir → stirring |
-ie〔ai〕で終わる動詞 | ie を y に かえて -ing |
die → dying lie → lying |
●「短母音+1子音字」で終わる動詞でも、最後の音節にアクセントのない場合は、
そのまま -ing をつけます。
子音を重ねなくてOK。
visit → visiting, happen → happening, offer → offering