41. 前置詞の働きと形
前置詞には、at, by, from, for, in, of, on, with などがあります。
文中では名詞や名詞と同じ働きをする句や節の前に置くのがふつうです。
日本語では「~で」「~に」などと、うしろに「で」「に」をつけるところですが、
英語では逆に by ~, at ~ のように前に by, at などをつけます。
前置詞のあとにくる名詞・代名詞を前置詞の目的語といい、代名詞の場合は目的格に
なることに注意しましょう。
Contents
① 前置詞の働き
「前置詞+名詞・代名詞」は、いつもひとまとまりの語群としてとらえることが大切で、
前置詞で始まる語句なので前置詞句といいます。
前置詞句は、文の中での働きによって(a)前の名詞を修飾する形容詞の働きをしたり、
(b)時・場所などを表し、前の動詞を修飾する副詞の働きをしたりします。
働きの上からは(a)は形容詞句、(b)は副詞句と呼ばれる。
形容詞句として | The books on the desk are mine. 名詞 前置詞+名詞 (机の上の本は私のです) |
副詞句として | He walked through the woods with his dog. 動詞 前置詞+名詞 前置詞+名詞 (彼は犬と一緒に森を通り抜けた) |
<NOTE>
❶基本の用法は上の表に示した通りであるが、次のような用法もある。
This knowledge is of great use. 〔形容詞句、補語〕
(この知識はたいへん役に立つ) of great use = very useful
❷動名詞など名詞相当語句も前置詞の目的語になる。
She went out without saying good-bye.
(彼女はさよならも言わずに出て行った)
❸前置詞の目的語が疑問詞の場合など、前置詞が本来の目的語から離れて、
節の終わりの位置にくることがある。
With whom did you go?
=Who(m) did you go with? 〔疑問詞… +前置詞〕
(あなたは誰と行ったのですか?)
② 前置詞の形
前置詞と同じ形の語が、副詞や接続詞として用いられることがあります。
あとに続く語句に注意して区別するようにしましょう。
in, on, off, up, down などが、
単独で場所や方向などを漠然と表せば副詞、
うしろに基準点を表す名詞・代名詞を目的語として伴えば前置詞ですね。
after, before, till [ until ], since は、
うしろに名詞・代名詞を伴えば前置詞、
うしろに節を伴えば接続詞です。
前置詞 ⇕ 副詞 |
He pulled the nail off the wall. (彼は釘を壁から抜いた) 前置詞+名詞 He pulled the nail off. (彼は釘を引き抜いた) 〔単独なら副詞〕 副詞 |
前置詞 ⇕ 接続詞 |
I have known him since his childhood. (子供の頃から彼を知っている) 前置詞+名詞 I have known him since he was a child. (子供だったときから彼を知っている) 接続詞+S+V 〔あとが節なら接続詞〕 |
前置詞になるのは at, in, on, off, since などのほか、二語以上の語句のことも
あります。
これを群前置詞といい、次のようなものがあります。
副詞・形容詞 + of, to |
out of (~から), instead of (~の代わりに), up to (~まで) |
接続詞など + of, to, for |
as to (~について), as for (~といえば), because of (~のために) according to (~によれば), owing to (~が原因で), thanks to (~のおかげで) |
前置詞+名詞 +前置詞 |
at the cost of (~を犠牲にして), by means of (~によって), by way of (~経由で), for the purpose of (~のために), for the sake of (~のために), in front of (~の前に), in spite of (~にもかかわらず), on account of (~のために) |
<NOTE>
前置詞を二つ重ねて用いることがある。
from behind the curtain (カーテンのうしろから)
till after lunch (昼食後まで)
この形は from, till のうしろの「前置詞+名詞」が名詞の働き(場所・時)をしていると考えられますね。