16. 受動態の慣用表現
英語と日本語を比べてみると、英語の方が受動態を用いることが多いんです。
日本語では能動態でいうところを、受動態で表すこともよくあります。
be surprised (驚く) など感情を表す受動態は、その一例ですね。
また be covered with (~でおおわれている) のような by 意外の前置詞を伴う表現も
しばしば用いられます。
これらは熟語として覚えておきましょう。
また、一見、「be + 過去分詞」の形ではありますが、過去分詞が形容詞に転化した語もあるんです。
(例)
I'm exhausted. (私はへとへとだ)
She looks worried. (彼女は悩んでいる様子だ)
① 感情を表す受動態
日本語では、感情を表すのに「驚く」「悲しむ」「おこる」のように能動態を用いるのがふつうです。
しかし、英語の感情表現には受動態が多いんですね。
また、慣用的に受動態を用いる場合もあります。
これらは受動態ではあっても、能動態のように訳すことに注意しましょう。
感情・心理を表す 受動態 |
be surprised at (~に驚く) be delighted at 〔with〕(~を喜ぶ) be pleased with (~が気に入る) be interested in (~に興味がある) be disappointed at 〔in〕(~に失望する) be satisfied with (~に満足する) |
慣用的な受動態 | be married (結婚している), be born (生まれる) be injured〔wounded, hurt〕(けがをする) be drowned (おぼれ死ぬ), be flooded (氾らんする) be suspended (〔交通が〕不通になる) be derailed (脱線する) |
I was surprised at the news. (私はその知らせを聞いて驚いた)
She is quite satisfied with the result. (彼女はその結果に非常に満足している)
He was badly injured in the accident. (彼はその事故で重傷を負った)
② be covered with など
上記の感情を表す受動態にもみられるように、受動態に by ~ではなく with, in, to
などを続けることがあります。
次のようなものは「 be動詞 + 過去分詞 + 前置詞 」の形で覚えておきましょう。
be covered with (~でおおわれている), be known to (~に知られている), be filled with (~でいっぱいである), be accustomed to (~に慣れている), be based on (~に基づく), be acquainted with (~と知り合いである), be made of 〔from〕(~でつくられる) |
The top of the mountain is covered with snow.
(その山の頂上は雪でおおわれている)
He is known to everyone in our school.
(彼は私たちの学校のみんなに知られている)
<NOTE>
受動態の意味を「 be動詞 + 過去分詞 」を用いないで表すことがあります。
・能動態で受動態の意味を表す sell, drink, read などの場合。
This book sells well. (この本はよく売れる)
His report reads like a novel. (彼のレポートは小説のように読める)
・「 have + O + 過去分詞 」(~を…される)
I had my hat blown off on my way home.
have O 過去分詞
(私は帰り道で帽子を吹き飛ばされた)