2. 文の種類
一口に文と言っても色々な種類があります。
「~ですか」と尋ねる文や、「~しなさい」と命令する文は、英語ではどのように表すのでしょうか。
これまでに中学校で学んできたことを復習しながら、文を次の4種類に分けて考えてみましょう。
これは意味上から見た文の種類です。
平叙文 | 事実や考えをそのまま述べる文 | I am a student. (私は学生です) |
疑問文 | 質問に用いられる文 | Are you a student? (あなたは学生ですか) |
命令文 | 命令・依頼を表す文 | Study hard! (一生懸命勉強しなさい) |
感嘆文 | 強い感情を表す文 | How lazy you are!(君はなんて怠け者なんだ) |
①平叙文
普通にある事実や考えを述べる文を平叙文といいます。
文尾には終止符(ピリオド)をつけます。
語順は原則として「S+V」で、次のように肯定文と否定文があります。
I have a dog. (私は犬を飼ってます) (肯定文)
S V(一般動詞)
His name is Bill. (彼の名はビルです) (肯定文)
S V (be動詞)
She can't run very fast. (彼女はあまり速く走れない) (否定文)
S V(can + 一般動詞)
He is becoming slow. (彼は動きがのろくなってきた) (肯定文)
S V(be+~ing)
<NOTE>
There is (are)~. のように、「V+S」の語順になるものもあります。
There is a man at the door. (戸口に男の人がいる)
V S
②否定文の作り方
「~ではない」「~しない」と打ち消す文を否定文といい、not などの否定語を用います。
not の位置は、述語動詞によって異なります。
be 動詞 + not | He is not an American. (彼はアメリカ人ではない) be動詞+not |
do 〔does, did〕not +一般動詞 | I do not have a cat. (私はネコを飼っていない) do not + 動詞の原形 |
助動詞 + not + 動詞 | Speak up, I can't hear you. (大きな声出して。よく聞こえない) cannot + 動詞の原形 |
一般動詞を用いた文では、do (does, did) の助けをかりて否定文にします。
この do, does, did の使い分けに注意しましょう。
I do not get up early. (私は早く起きない)
He does not get up early. 〔 主語が3人称単数 → does 〕
He did not get up early. 〔 過去の文→did 〕
<NOTE>
do, does, did は、否定文や次に述べる疑問文をつくるのに用いられる特別な助動詞です。
can, many, mustなどの後にくる動詞が原形になるように、do, does, did のあとの動詞も必ず原形にしなければなりません。
〔do, does, did〕not+動詞の原形となります。
(〇) does not have (×)does not has
(〇) did not make (×)did not made
③疑問文
相手にものをたずねる文が疑問文です。文尾には疑問符(クエスチョン・マーク)を付けます。
平叙文を疑問文にかえるときは、次のように動詞や Do, does, did 助動詞を主語の前に出します。
Be 動詞 + 主語(S)~ ? | He is an American. ↓ Is he an American? (彼はアメリカ人ですか?) |
Do 〔Does, Did〕 +主語(S)+一般動詞~? |
He lives in Tokyo. ↓ Does he live in Tokyo? (彼は東京にすんでますか?) |
助動詞+主語(S)+動詞 | You can drive a car. ↓ Can you drive a car? (あなたは運転できる?) |
一般動詞を用いた文では、否定文の場合と同じように、Do〔Does, Did〕の助けをかります。
あとの動詞は必ず原形にすること。
Do you like dancing? (あなたはダンスが好きですか?)
Does she like dancing? 主語が3人称単数 → Does
Did she like dancing? 過去の文 → Did
④疑問詞、or を用いた疑問文
ふつうの疑問文のほかに、「Aですか、Bですか」とたずねたり、「だれですか」
「どこですか」などと尋ねる疑問文もあります。
すでに中学校で習った通り、このような疑問文にはYes, Noを用いずに答えます。
or を用いた疑問文 「AかBか」選択 |
Is this ball yours (⤴) or hers(⤵) ? A or B (このボールは君の?それとも彼女のですか?) |
疑問詞を用いた疑問文
「だれか」(人) 「何か」(物) 「どこか」(場所) |
She bought a book at the shop. ↓ Who bought a book at the shop?(⤵) 疑問詞(S) (誰がその店で本を買いましたか?) What did she buy at the shop?(⤵) 疑問詞(O) (彼女はその店で何を買いましたか?) Where did she buy a book?(⤵) 疑問詞(副詞)(彼女はどこで本を買いましたか?) |
疑問詞の位置は疑問文の文頭であることに注意しましょう。
疑問詞のあとは、先ほど述べたふつうの疑問文の語順になります。
ただし、上例の Who bought~?のように
疑問詞が主語になるときは、「疑問詞(S)+V~?」の語順です。
Who painted this picture? 〔疑問詞=主語〕
疑問詞+動詞
(誰がこの絵を描いたのですか)
答え方に注意。上の文には、My brother did. (弟が描いたよ)のように答えます。
(×) It was my brother. とは言いません。
<NOTE>
疑問詞には次のようなものがあります。
疑問代名詞 who ( whose, whom ), what, which 疑問副詞 when, where, why, how |
疑問代名詞 who(だれ)、what(なに)、which(どれ)、は文中で、主語・目的語・補語になります。
これに対して、疑問副詞 when(いつ)、where(どこ)、why(なぜ)、how(どのように)は副詞の働きをして修飾語になります。
いずれも疑問文の文頭に用いられますが、文中での働きが異なることに注意しましょう。
⑤否定疑問文・付加疑問文
isn't 〔aren't〕, don't〔doesn't, didn't〕などで始まる疑問文を否定疑問文といいます。
「~ではないですか」とたずねるときに使います。
Be 動詞‐n't + S~? =Be 動詞 + S + not ~? |
Aren't you tired? =Are you not tired? (君は疲れてないのですか) |
Don't + S + V ~? =Do + S + not + V ~? |
Don't you play tennis? =Do you not play tennis? (君はテニスをしないのですか) |
助動詞‐n't + S + V ~? =助動詞 + S + not + V ~? |
Can't you speak English? =Can you not speak English? (君は英語が話せないのですか) |
「動詞〔助動詞〕‐n't」の短縮形を用いるのは口語。短縮形を用いず、
主語の後に not を置く形も用いられます。
<NOTE>
否定疑問文の答えは次のようになります。
Aren't you sleepy? Yes, I am. (いいえ、眠いです)
(眠くないの?) No, I'm not. (はい、眠くないです)
答えが肯定なら Yes, 否定なら No,となるので、英語のYes、Noと日本語の「はい、いいえ」とは一致しないので注意しましょう。
「~ですね」という意味で、相手に念をおしたり、同意を求めるときには、平叙文の文尾にかんたんな疑問形を付けます。
これを付加疑問文といい、次のように否定の疑問形と肯定の疑問形をつける場合があります。
肯定文+否定の疑問形 「~ですね」 |
You are tired, aren't you? (君は疲れていますね) |
否定文+肯定の疑問形 「~ではないですね」 |
Jim doesn't like apples, does he? (彼はリンゴが好きではないよね) |
付加疑問文の主語は必ず代名詞を用います。
上の例で Does Jim? は間違い。
付加疑問文は、会話でよく使われます。読み方に注意しましょう。
念をおす気持ちの場合は文尾を下げて読みます。
相手に念をおす場合……文尾を下げる
Mary likes Japan, doesn't she? (マリーは日本が好きですね)
相手に同意・確認を求める場合……文尾を上げる
You can't swim, can you? (君は泳げないんだよね?)
<NOTE>
doesn't she? のように付加疑問文では必ず「(助)動詞 + not 」を短縮形にします。
is not → isn't are not → aren't have not → haven't 等々。
なお、命令文や Let's ~に付加疑問をつけて調子をやわらげることがあります。
命令文~、 will you?
Let's ~、 shall we?
の形になり、文尾は上げ調子で読みます。
Open the window, will you? ( 窓を開けてくださいね)
Let's go for a walk, shall we? (散歩に行こうよ)
⑥命令文
命令文は、これまでに学んだ平叙文・疑問文と違い、いきなり動詞の原形から始まります。
ふつう主語の You は省きます。
命令文は「~しなさい」(命令)、「~してください」(依頼)の意味を表す文です。
否定文になると動詞の原形の前に Don't を付け、「~してはいけない」(禁止)の意味を表します。
●肯定の命令文 動詞の原形~. |
「~しなさい」(命令) 「~してください」(依頼) |
Come here, John. (ジョン、来なさい) Sit down, please. (お座りください) |
●否定の命令文 Don't+動詞の原形 |
「~してはいけない」(禁止) | Don't open the door (ドアをあけてはダメ) |
動詞が be動詞なら原形の Be で始めます。否定形は Don't be~.
Be kind to the children. (子供たちに親切にしなさい)
Don't be noisy. (そうぞうしくするな)
<NOTE>
次のような特別な形の命令文を用いることもあります。
a. 主語のYouを付けた命令文。このYouは強く発音する。
I must go out. You stay here.
(私は出かけなければならない。 君はここにいなさい)
b. 強い命令を表す。「Do+動詞の原形~」このDoも強く発音する。
Do come again.
(ぜひまたおこしください)
c. Let で始まる命令文。「~させてください」「~させなさい」の意味で一人称・
三人称に対する命令文になる。
Let me go with you.
(一緒に行かせてください)
Let him play your guitar.
(彼に君のギターをひかせなさい)
なお、Let us の短縮形の Let's は「~しよう」の意味です。
⑦感嘆文
「なんと~なのだろう」と驚き・意外などの強い感情を表す文を感嘆文といいます。
次のように How か What で始め、文尾には必ず感嘆符(!)をつけます。
How と What は、強める語句によって使い分けること。
名詞の意味を強める What (a ,an)+形容詞 +名詞+S+V! |
She is a very kind girl. What a kind girl she is! (彼女はなんと親切な子だろう) |
形容詞・副詞を強める How+形容詞・副詞+S+V! |
She cooks very well. How well she cooks! (彼女はなんて料理が上手なんだ) |
上の例文に示したよう、感嘆文では「S+V」が文尾に置かれる。
しばしばこの「S+V」が省略されることがあります。
What a nice day (it is) ! (なんといい天気なんだろう)
How wonderful (this is)! (なんと素晴らしいのだろう)
⑧単文・重文・複文
複雑な文になると、主語・述語動詞がいくつもあるということもしばしば。
そこで、文の構造を三つに分けて考えてみましょう。
単文 | 「S+V」が一組だけの文 We played many kinds of games. (私たちはいろいろなゲームをした) S V |
重文 | 〔「S+V」and 〔butなど〕「S+V」〕の構造の文 The bell rang, and the train began to move. (ベルが鳴って列車が動き出した) S V 接続詞 S V |
複文 | 〔「S+V」when 〔thatなど〕「S+V」〕の構造の文 My grandfather died when I was a boy. (私の祖父は私が少年の時に死んだ) S V 接続詞 S V |
単文は、構造の最も単純な文で「S+V」が一組だけですね。
これに対して重文・複文には「S+V」を含む語群が接続詞などで結ばれて、二つ以上含まれています。
そのため、一般に長い分になりがちです。
この「S+V」を含む語群のことを節と言います。
重文中の節は文法上対等の関係にあるので、対等節または等位節といいます。
●重文
The bell rang, and the train began to move.
節 節
対等節 + 対等節 の構造
一方、複文の場合は、節はwhen, that などで結ばれ、中心になる節(主節)とそれに
従属する節(従属節)とに分かれます。
●複文
My grandfather died when I was a boy.
主節 従属節
主節 + 従属節 の構造
<NOTE>
従属節には名詞節・形容詞節・副詞節があります。