60歳で定年を迎えた後、多くの方が気になるのは【社会保険料】です。
収入が減少する中で健康保険料や年金保険料、さらには介護保険料がどのくらいかかるのか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、定年退職後の社会保険料がどのように計算されるのか、具体的な負担額の目安や軽減する方法について詳しく解説します!
Contents
定年後の社会保険料の仕組みとは?
定年退職後も健康保険や年金保険料を支払う必要がありますが、その内容は状況によって異なります。
まずは社会保険料の基本的な仕組みを確認しましょう。
社会保険料の内訳
定年後に関係する主な社会保険料は以下の通りです。
- 健康保険料
会社員時代は会社が半額負担していましたが、退職後は自己負担が増える場合があります。 - 厚生年金保険料
基本的に定年退職後は支払い不要。ただし、再雇用される場合や国民年金への切り替え時には負担が発生することがあります。 - 介護保険料
65歳から適用され、市町村が保険料を徴収します。
定年後の社会保険料はどのように変わる?
- 退職後、健康保険をどうするか
退職後は、健康保険を「任意継続」するか、「国民健康保険」に切り替えるかの選択が必要です。 - 年金受給が始まると介護保険料が年金から天引きされる
65歳になると、年金額に応じた介護保険料が自動的に引かれるようになります。
健康保険料はどう変わる?継続方法と費用を比較
定年後、健康保険料の支払い方法は「任意継続」か「国民健康保険」に切り替えるかによって変わります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
1. 任意継続の場合
- 退職後も在職中に加入していた健康保険を最大2年間継続できます。
- 保険料は在職中の標準報酬月額の平均を基に計算され、全額自己負担となります(会社負担分も自己負担)。
任意継続の保険料の目安
年収 | 標準報酬月額 | 任意継続保険料(月額) |
---|---|---|
300万円 | 25万円 | 約25,000円 |
400万円 | 33万円 | 約33,000円 |
2. 国民健康保険の場合
- 任意継続を選ばない場合、退職後は国民健康保険に加入します。
- 保険料は市区町村ごとに異なり、前年の所得に基づいて計算されます。
国民健康保険料の目安(年額)
年収 | 保険料(単身世帯の場合) |
---|---|
150万円 | 約15万円~20万円 |
300万円 | 約30万円~40万円 |
任意継続と国民健康保険、どちらがお得?
- 任意継続は、退職前の給与が高かった人に有利。
- 国民健康保険は、前年の所得が少ない人に有利。
ポイント:収入状況や家族構成によってどちらが得かは異なるため、試算が必要です。
介護保険料はいつから負担する?金額の目安
介護保険料は65歳から支払いが開始されますが、自治体によって金額が異なります。
介護保険料の計算方法
- 65歳以上の年金受給者の場合、年金から天引きされます。
- 保険料は所得に応じた「段階別」に設定されています。
介護保険料の目安(年額)
所得区分(年金収入など) | 保険料 |
---|---|
年収120万円未満 | 約50,000円~70,000円 |
年収200万円 | 約100,000円~120,000円 |
年金保険料はどうなる?負担と年金受給の関係
60歳で定年退職後、年金保険料(厚生年金や国民年金)の支払いは基本的に不要ですが、次のようなケースでは負担が発生します。
国民年金に切り替えた場合
- 退職後、国民年金第1号被保険者に切り替えた場合、保険料を支払う必要があります。
- 国民年金保険料(月額):16,520円(2023年度の場合)。
年金受給後の社会保険料
- 65歳以降、年金受給が開始されると、介護保険料と住民税が年金から天引きされます。
- 年金額が少ない場合、他の収入から支払う必要が生じることもあります。
再雇用やパート勤務の場合の社会保険料の計算方法
再雇用やパート勤務で働き続ける場合、収入や労働時間によって社会保険料が発生することがあります。
社会保険料の適用条件
- 週の労働時間が20時間以上で、月収が88,000円以上の場合、社会保険料が適用されます。
- 厚生年金や健康保険料を支払う必要があります。
パート勤務の場合の保険料負担の目安
月収 | 健康保険料 | 厚生年金保険料 | 合計 |
---|---|---|---|
10万円 | 約5,000円 | 約9,000円 | 約14,000円 |
15万円 | 約7,500円 | 約13,500円 | 約21,000円 |
社会保険料を軽減する方法とは?
収入が減少した定年後には、以下の方法で社会保険料の負担を軽減することが可能です。
1. 国民健康保険の軽減制度を利用
- 国民健康保険には、所得が少ない人向けの減免制度があります。
- 市区町村に申請することで、保険料が軽減される場合があります。
2. 高額療養費制度を活用
- 医療費が高額になった場合、一定額を超えた分が還付されます。
- 高齢者の場合、限度額がさらに低く設定されています。
3. 傷病手当金や年金控除を活用
- 傷病手当金や高齢者向けの税控除を活用し、手元に残るお金を増やしましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 任意継続と国民健康保険、どちらが良いですか?
収入が高い人は「任意継続」、収入が低い人や無収入の場合は「国民健康保険」の方が安くなる傾向があります。
Q2. 年金収入だけの場合、どのくらいの社会保険料がかかりますか?
年金収入が200万円の場合、介護保険料が年額約10万円~12万円かかる可能性があります。
Q3. 再雇用で働く場合の保険料は?
月収が88,000円以上、週の労働時間が20時間以上の場合、健康保険料と厚生年金保険料を支払う必要があります。
まとめ:60歳以降の社会保険料を正しく把握しよう
60歳以降の社会保険料は、働き方や収入、選択する保険制度によって大きく異なります。
まずは「任意継続」や「国民健康保険」などの選択肢を比較し、負担額をシミュレーションすることが重要です。
また、軽減制度を活用することで、家計への負担を軽減することが可能です。
不安な場合は、市区町村や年金事務所に相談し、最適な選択を見つけましょう。
社会保険料を正しく理解し、退職後の生活を安心して迎えられるよう準備を進めてください!