アストロウイルスといえば、人間の胃腸炎の原因として知られていますが、犬にも感染する可能性があることをご存じでしょうか。
犬が下痢や嘔吐をしている場合、アストロウイルスが原因の可能性があります。
しかし、人間のアストロウイルスとは異なり、犬には犬専用のアストロウイルスが存在します。
本記事では、犬のアストロウイルス感染症の症状や感染経路、治療法や予防策について詳しく解説します。
Contents
犬のアストロウイルスとは?

特徴
- 人間のアストロウイルスとは別のウイルス
- 犬同士で感染する可能性がある
- 子犬や免疫力の低い犬が感染しやすい
- 症状は比較的軽症で、自然回復することが多い
アストロウイルスは、犬の腸管に感染し、下痢や嘔吐などの症状を引き起こすウイルスです。
通常は軽症で済むことが多いですが、子犬や免疫力の弱い犬では重症化することがあるようですね。
犬のアストロウイルス感染症の症状

犬がアストロウイルスに感染すると、主に胃腸症状が現れます。
主な症状
- 下痢(軟便または水様便)
- 嘔吐(頻度は少なめだが、食欲不振を伴うことも)
- 軽度の発熱(38~39℃程度)
- 元気がなくなる、食欲が減る
通常、症状は3~7日程度で自然に回復します。
しかし、子犬や高齢犬、免疫力が低下している犬では脱水症状を起こす可能性があるため注意が必要です。
犬のアストロウイルスの感染経路

犬のアストロウイルスは、主に**糞口感染(便を介して口に入る)**で広がります。
主な感染経路
✅ 感染した犬の便に含まれるウイルスを摂取する
✅ 汚染されたフードや水を摂取する
✅ 犬同士の接触(ドッグラン、ペットホテル、動物病院など)
✅ 飼い主の手や靴を介して持ち込まれる
ウイルスは環境中で数日~数週間生存できるため、多頭飼いや犬が集まる場所では注意が必要です。
犬のアストロウイルスは人間に感染するのか?
現時点では、犬のアストロウイルスが人間に感染したという報告はありません。
人間と犬ではアストロウイルスの種類が異なるため、犬から人間へ感染する可能性は低いと考えられています。
ただし、犬の便や嘔吐物を触った後に手を洗わないと、他の細菌やウイルスに感染するリスクがあるため注意が必要です。
犬が下痢や嘔吐をした場合は、手洗いと消毒を徹底しましょう。
犬のアストロウイルス感染症の治療法

アストロウイルスに対する特効薬は存在しません。
基本的には、**対症療法(症状を抑える治療)**を行いながら、自然回復を待ちます。
自宅でできる対処法
✅ 水分補給をこまめに行う(脱水防止)
✅ 消化に良い食事を与える(柔らかいフードやお粥状の食事)
✅ ストレスを避け、安静にさせる
下痢や嘔吐がひどい場合は、すぐに動物病院を受診し、点滴や整腸剤の投与を検討する必要があります。
犬のアストロウイルスの予防策
現在、犬のアストロウイルスに対するワクチンは存在しません。
そのため、感染を予防するための衛生管理が重要になります。
予防のためにできること
✅ 犬の便をすぐに処理し、環境を清潔に保つ
✅ フードや飲み水をこまめに交換し、食器を消毒する
✅ 犬の生活環境を衛生的に保ち、定期的に清掃する
✅ 多頭飼いやドッグランなどの犬同士の接触に注意する
まとめ
- 犬のアストロウイルスは、人間のアストロウイルスとは異なる種類のウイルス
- 主な症状は下痢・嘔吐・軽度の発熱で、通常は自然回復する
- 感染経路は糞口感染が主で、多頭飼いや犬が集まる場所では注意が必要
- 人間への感染は確認されていないが、衛生管理は徹底することが重要
- ワクチンはないため、清潔な環境を維持し、感染予防を徹底することが最も効果的
参考情報URL(獣医学系の公式サイト)
📍 日本獣医学会|犬のウイルス性疾患について
https://www.jsvetsci.jp/
📍 国立感染症研究所|アストロウイルスと動物の関係
https://www.niid.go.jp/
📍 アメリカ獣医学会(AVMA)|犬のウイルス性胃腸炎
https://www.avma.org/