22. 分詞
現在分詞( 動詞の原形 + ing ) は進行形に、過去分詞は受動態や完了形に用いられます。
そのほかに分詞(現在分詞・過去分詞)には形容詞としての用法があります。
(a) 形容詞として名詞を修飾する。
(b) 形容詞として補語になる。
また、分詞は文を簡潔に表現する分詞構文という形をつくることがあり、時・理由
・付帯状況などを表すんです。
ここではこのような分詞の用法を学びましょう。
形容詞的用法の分詞
現在分詞は進行形「 be動詞 + 現在分詞 」に、
過去分詞は受動態「 be動詞 + 過去分詞 」、
完了形「 have [had] + 過去分詞 」
に用いられます。
では次の分詞はどうでしょうか。
Don't wake the sleeping baby. (眠っている赤ちゃんを起こすな)
現在分詞+名詞
これは形容詞の働きをして、名詞を修飾する用法ですね。
現在分詞・過去分詞ともに形容詞としての働きがあるんです。
【英文法の基礎】
1. 主語・述語・英語の8品詞とは?
2. 平叙・否定・感嘆・命令文の作り方とは?
3. 5文型とは?There is ~の使い方
4. 修飾語句・形容詞・数詞の使い方
5. 形容詞句・形容詞節の使い方
6. 副詞の用法・疑問副詞の使い方
7. 副詞句・副詞節の使い方
8. be 動詞、規則・不規則動詞の使い方とは?
9. 現在形・過去形(時制)の使い方
10. 未来形( be going to )、単純 / 意志未来の使い方とは?
11. 未来・現在・過去進行形の使い方
12. 現在完了・現在完了進行形の使い方とは?
13. 過去完了・未来完了とは?
14. 受動態・受動態の時制とは?
15. 受動態の疑問文・否定文を解説
16. 受動態の慣用表現・感情の表し方とは?
17. 不定詞とは?名詞的・形容詞的・副詞的用法を解説
18. 不定詞の重要構文を解説
19. 原形不定詞( to のつかない)とは?
20. 動名詞とは?現在分詞とのちがいを解説
21. 不定詞と動名詞は動詞で選択!
22. 英語の「分詞」の使い方を詳しく解説
23. 分詞構文の意味や使い方とは?
24. 助動詞とは?使い方を詳しく解説
25. 助動詞( need, dare, ought to )などの使い方
26. will, shall, would, should の使い方
27. 名詞・冠詞の使いわけ方
28. 名詞の用法とは?超くわしく解説
29. 冠詞の用法を超くわしく解説
30. 代名詞とは?注意すべき人称代名詞も解説
31. 所有代名詞・再帰代名詞とは?
32. 疑問代名詞・指示代名詞とは?
33. 不定代名詞の使い方を超くわしく解説
34. 比較級・最上級のつくり方
35. as ~ as , not as ~ as の使い方
36. 比較級の用法を超くわしく解説
37. 最上級の使い方・注意点をくわしく解説
38. 編集中…
39. 仮定法とは?仮定法過去・完了をくわしく解説
40. 仮定法の使い方と注意点
41. 前置詞の使い方・働き
42. おもな前置詞の用法をくわしく解説
43. 動詞+前置詞で熟語へ!形容詞+前置詞の使い方
44. 接続詞 and, or, but の使い方
45. 名詞節とは?使い方をくわしく解説
46. 接続詞の働きいろいろ!
47. not, never, no などの否定表現
48. hardly, seldom, rarely などの部分否定表現
49. 否定表現のいろいろな使い方
50. 時制の一致とは?
51. 英会話の直接話法・間接話法のちがい、転換の仕方
52. 語順がかわる英語の特殊構文とは?倒置・強調・省略を解説
53. 無生物主語の使い方
Contents
現在分詞 + 名詞 ; 過去分詞 + 名詞
同じ形容詞的用法の分詞でも、現在分詞を使ったり、過去分詞を使ったりするのは
なぜ?
次の表をみてみましょう。
現在分詞 -ing | ~している (能動的) | a sleeping baby 眠っている赤ちゃん (= a baby who is sleeping ) |
過去分詞 | ~された (受動的) | a broken vase こわれた花瓶 (= a vase which was broken) |
上記のように、分詞が名詞を修飾しているのを限定用法といいます。
( )内に示した書きかえからわかるように、
現在分詞は「~している」(能動的)
過去分詞は「~された」 (受動的)、
「~した」(完了形)の意味になります。
Barking dogs seldom bite. 〔現在分詞、能動的〕
(吠える犬はめったに嚙まない)
She looked at the broken vase sadly. 〔過去分詞、受動的〕
(彼女はこわれた花瓶を悲しそうに見た)
このように、現在分詞と過去分詞は意味に注意して使い分けます。
<NOTE>
過去分詞の訳し方に注意。
broken vase は、だれかに「こわされた」花瓶にちがいないが、直訳すると日本語として不自然になる。
broken vase は「こわれた花瓶」と訳してさしつかえない。
spoken English 「話し言葉の(=口語)英語 ← 話される英語」
ーspeak = English which is spoken 〔他動詞〕
fallen leaves「落葉←落ちてしまった葉」〔完了〕
ーfell = leaves which have [had] fallen 〔自動詞〕
「名詞+分詞」の形
分詞が単独のときは名詞の前でオッケーですが、分詞が目的語や修飾語などを伴って用いられるときは名詞のあとに置かれます。
「名詞+分詞」の順になるんですね。
「名詞+ 現在分詞」 | the boy swimming in the pool. ↑ (少年←プールで泳いでいる) |
「名詞+ 過去分詞」 | a vase broken by a cat. ↑ (花瓶←ネコにこわされた) |
A man carrying a large box came out of the room.
(大きな箱をかかえた男が部屋から出てきた) 〔名詞+現在分詞~〕
What is the language spoken in Canada?
(カナダで話される言語は何ですか) 〔名詞+過去分詞~〕
<NOTE>
上の用例の下線部を見ると、「名詞+分詞~」の場合、分詞とそのあとに続くほかの
要素が一つのかたまりとして(句となって)前の名詞を修飾している。
ひとかたまりの語句としてとらえること。
ポイント
●現在分詞か過去分詞かは、意味によって使い分ける。
「~している」(能動)→ 現在分詞
「~された」(受動)、「~した」(完了) → 過去分詞
●分詞の位置に注意。
単独の分詞なら名詞の前 ……「分詞+名詞」
ほかの要素を伴う分詞なら名詞のあと ……「名詞+分詞~」
S+V+分詞(C)
~補語になる分詞~
現在分詞も過去分詞も自動詞のあとにきて、補語として用いられます。
「S+V+分詞」の文型になり、分詞は主語の動作・状態を説明します。
S+V+現在分詞 「~して」 「~しながら…」 | The boy came running to us. S V C (少年は私達のほうへ走ってきた) He sat reading a book. S V C (彼は本を読みながら座っていた) |
S+V+過去分詞 「~されて」 | He went out unobserved. S V C (彼は気づかれずに出て行った) The fields lie covered with snow. S V C (田畑は雪におおわれていいる) |
現在分詞は「~して」「~しながら」という能動的な意味を、過去分詞は「~されて」
という受動的な意味を表すことに注意しましょう。
<NOTE>
「be動詞+現在分詞」の形で現在分詞が補語になる場合と、進行形を混合しないように
すること。
(a) The boy was reading a book. 〔進行形〕
V C (その少年は本を読んでいた)
(b) The long story was boring to the children. 〔be動詞+補語〕
V C (その長い話は子供たちにはたいくつだった)
両者のちがいは形の上からはわからない。文の意味を考えて判断することです。
(b)の文で、この ing 形は interesting, exiting, charming などと同じくそれぞれの
動詞から派生した形容詞なんですね。
S+V+O+分詞(C)
分詞が「S+V+O+C」の文型の補語になることがあります。
「S+V+O+分詞」の形になり、目的語(O)が分詞の意味上の主語になります。
現在分詞を用いるか、過去分詞を用いるかは、次のように「O+分詞」の意味によって
決まります。
「O+分詞」の部分を文に直して考えるとその区別がわかります。
I found myself sleeping in my car. 〔能動的意味→現在分詞〕
→I was sleeping in my car.
(私は車の中で寝ていたのがわかった)
I had my camera stolen on my journey. 〔受動的意味→過去分詞〕
→My camera was stolen ~.
(私は旅先でカメラを盗まれた)
つまり、「O+分詞」の意味が能動的ならば現在分詞を用い、受動的ならば過去分詞を用いることになるんですね。
S+V+O+現在分詞 「…が~しているのを 見る(聞く)など」 | I heard someone calling me. (だれかが私を読んでいるのを聞いた) S V O C He kept me waiting for an hour. (彼は私を1時間待たせた) S V O C |
S+V+O+過去分詞 「…が~されるのを 見る(聞く)など」 | I heard my name called. (私は自分の名前が呼ばれるのを聞いた) S V O C I will have the room cleaned. (私はその部屋を掃除してもらおう) S V O C |
上の例文のOとC(分詞)の関係に注意。
someone calling me → Someone was calling me.
my name called → My name was called.
<NOTE>
「O+分詞」を伴う動詞は、おもに知覚動詞・使役動詞である。
〔知覚動詞〕see, hear, watch, look at, listen to, find など
〔使役動詞〕have, get, make (~させる)など
〔その他〕 keep, leave (~させておく), set, want, like など
keep him waiting (彼を待たせておく)
leave the problem unsolved (問題を未解決にしておく)
I don't want him coming. (彼に来てほしくない)
「have+O+過去分詞」(表の下の例文)には、
(a)「…を~してもらう〔させる〕」(使役) と、
(b)「…を~される」(受身) の意味がある。
(a) I had [got] a decayed tooth pulled off. [主語の意志があり利益となること]
(私は虫歯を抜いてもらった) 〔使役〕
(b) I had my hat blown off on the street. [主語の意志がなく不利益となること]
(私は通りで帽子を吹き飛ばされた) 〔受身〕
なお、「 have + O(人)+原形不定詞」(〔人〕にしてもらう、させる)とのちがいに注意。
この形は「人」を目的語とすることが多いです。
I had [got] some cookies made. (私はクッキーを作ってもらった)
S V O(物) 過去分詞
I had her make some cookies. (私は彼女にクッキーを作ってもらった)
S V O(人) 原形不定詞
下の例文で have の代わりに get を用いると、原形不定詞ではなく to不定詞を用いることに注意。
I had her make some cookies.
=I got her to make some cookies.
<NOTE>
次のような -ing を用いた表現を覚えましょう。
❶ go -ing (~しに行く)
go shopping (買い物に行く) など
❷ go [keep] on -ing (~し続ける)
go on talking (話し続ける) など
❸ be busy -ing (~するのに忙しい)
She was busy cooking.
(彼女は料理をするのに忙しい)
❹ spend ~ (in) -ing (…して~を過ごす)
I spent an hour playing tennis.
(テニスをして1時間過ごした)
❺ have + 人 + -ing (我慢する、~させておく)…(容認や被害を表す)
I won't have him talking like that.
(あんな口のきき方はさせておかないぞ)
ポイント
●現在分詞は能動的意味を、過去分詞は受動的意味を表します。
S+V+現在分詞(C) / S+V過去分詞(C)
S+V+O+現在分詞(C) / S+V+O+過去分詞(C)
【ネイティブがよく使う簡単で便利なフレーズシリーズ】一覧
1. あいさつ編
2. いってらっしゃい編
3. 「ええ?!また?!勘弁してよ!」
4. 「最悪!!いい加減にしてよ!」
5. 「むかつく!」「なんてこった!」
6. 「私にまかせて!」や、「あなた次第だよ」
7. 「だんだんわけがわからなくなってきたぜ?」
8. 「なるほど!そういうことね」
9. 「まいった!そうくるとは思わなかったよ」
10. 「ありえん!」
11. 「落ち着いて。冷静に」
12. 「にっちもさっちもいかん!」
13. 「ちゃんと聞いてるよ」「あいつ、口ばっかり!」
14. 「大賛成!」「納得したよ」「あいつ、どっちつかず」
15. 「冗談だよ!」「からかってんだよね?」
16. 「冗談きついぜ!」「やりすぎだよ!」
17. 「おしかったね」
18. 「経験したことあるよ」
19. ‟Don't go there" の本当の意味とは?
20. 「ドキドキする!」
21. ‟Not my cup of tea" の本当の意味とは?
22. 「何を悩んでいるの?」
23. ‟Where were we?" の本当の意味とは?
24. ‟Where's the fire?" の本当の意味とは?
25. 「気はすんだ?」
26. 「することが山ほどある!」
27. 「おちゃのこさいさい!」「楽勝!」
28. 「無理強いした」
29. 「痛くも痒くもないわ」
30. 「空気読めよ~」「しらけさせるなよ」
31. 「図星だね!」 〝Bull's eye!" とは?
32. "I wasn't born yesterday" の本当の意味とは?
33. 「やっかいもの・見放されている」はなんと言う?
34. 「噂をすれば影」はなんと言う?
35. "Are you up for ~?” とはどんな意味?
36. 「超しあわせ!」表現いろいろ
37. 「めんどくさ!するのヤダ!」表現いろいろ
38. 「連絡を取り合おう」「しばらく距離をおこう」はなんと言う?
39. 「腹ペコだ!」「小腹がへった」はなんと言う?
40. "What do you know?" の本当の意味とは?
41. 「もう限界!」「堪忍袋の緒が切れた!」は英語でなんと言う?
42. 「ひとつ借りができたね」は英語でなんと言う?
43. "Are you with me?" の本当の意味とは?
44. "Say no more!" の意味とは? 「知ったかぶり」は英語でなんと言う?
45. "Let it slide" とはどういう意味?
46. 「本気出せ!/頑張って!」を英語で!
47. 「励ましをありがとう」を英語で!
48. "Did you have a ball?" の本当の意味とは?
【電話でビジネス英会話の基礎】一覧
1. 最初の一言
2. 相手の英語が聞き取れない場合
3. 自分の英語が伝わらない場合
4. 保留・転送する場合の表現
5. 担当者が出られない場合
6. 不在の状況を尋ねる場合
7. 不在状況を説明する場合
8. 代わりに用件を聞く / 電話機能の用語一覧
9. かけなおすと伝える
10. かけなおしてほしい場合
11. 伝言を頼む/頼まない場合 電話における動作表現リスト
12. 相手の連絡先を尋ねる
13. 間違い電話に応じる
14. スモールトークの基礎
15. タイミングを気遣う場合 / 日時、頃合いの表現リスト
16. お礼、感想を述べる場合
17. 食事などに誘う場合 / 数字・記号の読み方リスト
18. 祝辞・お見舞いを述べる場合
19. あいづち・つなぎ表現 / 会社概要・名称リスト
20. 電話の結び表現 / 会社部署の名称リスト
21. 初めて連絡をとる場合 / 役職名称リスト
22. 約束をとりつける
23. 約束の日付・時間変更をする場合
24. 仕事の進捗状況を確認する場合 / 書類の名称リスト
25. 仕事の遅延・変更について謝る / 業種の言い方リスト
26. ファックスした文書について話す / 文書に便利な表現リスト
27. 同じ文書を見ながら話す
28. 問い合わせを受ける
29. 留守電への吹込み方
30. クレームに対応する場合
31. 航空券を予約する
32. ホテルを予約する / ルームサービス・ランドリーなど
33. ホテルから国際電話をかける場合